『人喰い人種の国/風見武秀』(1961/二見書房) 戦時中、ニューギニアに配属されていた著者が、終戦後にカメラマンとなってから、ふたたびニューギニアの地を訪れ、現地の人喰い人種の暮らしぶりをレポートした本。 ニューギニアに限らず、戦争中はどこの任地でもあったことだと思うが、この著者の部隊でも、現地で行方不明になってしまい帰国できなかった戦友が何人もいたのだという。その人達、気の毒だとは思うけど、もう生きてないよね。敵の弾丸に当たったのかもしれないし、猛獣か人喰い人種に喰われちゃったのかもしれない。あるいはマラリアとかで命を落としたのかもしれない。戦争の悲劇というのは、敵だけがもたらすものではないんだな。 いずれにせよ、戦争で無理矢理に連れていかれたそんな恐ろしいところには、普通は二度と戻りたくないと思うものだ。ところが、この著者は躊躇せずにニューギニアの地を再訪してしまう。この感じはなんだ