千葉県船橋市の会社員、平岡輝彦(ひらおかてるひこ)さん(47)は2010年11月上旬、自宅近くの内科クリニックで健康診断を受けた。 「すぐに来てください」 その日のうちに自宅に電話がかかってきて、クリニックを再び訪れた。医師が胸のX線画像を指さして言った。 「肺に影があります。大きな病院に行ってください」 県内の総合病院でCTやMRI検査を受けたところ、「ほぼ間違いなく肺がん」と告知された。高校時代はサッカー部で鍛え、健康には自信があった。たばこは結婚を機に29歳でやめていた。若い頃、盲腸で入院した以外、ほとんど病院に行った覚えもない。 「なんで突然、がんと言われなければならないのか……」。どうしても納得できなかった。 自覚症状は全くなく、「何かの間違いでは?」とも思った。 12月上旬、国立がん研究センター中央病院(東京都中央区)を受診し、「腺がんというタイプです」と告げられた。がんは右肺
寄稿 作家・中村文則さん 僕の大学入学は一九九六年。既にバブルは崩壊していた。 それまで、僕達(たち)の世代は社会・文化などが発する「夢を持って生きよう」とのメッセージに囲まれ育ってきたように思う。「普通に」就職するのでなく、ちょっと変わった道に進むのが格好いい。そんな空気がずっとあった。 でも社会に経済的余裕がなくなると、今度は「正社員になれ/公務員はいい」の風潮に囲まれるようになる。勤労の尊さの再発見ではない。単に「そうでないと路頭に迷う」危機感からだった。 その変化に僕達は混乱することになる。大学を卒業する二〇〇〇年、就職はいつの間にか「超氷河期」と呼ばれていた。「普通」の就職はそれほど格好いいと思われてなかったのに、正社員・公務員は「憧れの職業」となった。 僕は元々、フリーターをしながら小説家になろうとしていたので関係なかったが、横目で見るに就職活動は大変厳しい状況だった。 正社員
何でも自由に選べることほど、魅惑的なことはない。でも、現実にはそれは簡単ではなく、自己責任もつきまとう。今の日本社会で「自由」と「選択」が持つ意味とは。 ■国が個人に責任押しつけ 平川克美さん(文筆家) 国が「自由に選べ」と言う時、その基底にあるのは自己決定、自己責任という考え方ですね。自… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。
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「ふたりのねこ (ヒグチユウコ)」を読みました。切なくほろ苦い読後感に、読み終わった後はぽけーっと放心状態になってしまいました。ねこもニャンコもかわいいな!このやろう!!ふたりともしあわせになりやがれっ!! ヒグチさんの存在を知ったのはTwitter(たぶんイラストはどこかで見かけたとは思うのですが)。心和む猫の話題や、かわいらしいイラストの投稿を心待ちにしていたうちの一人です。 「ふたりのねこ」はねことニャンコのおはなし、と聞いて思い出したのが、息子さんへ描いたというミニ絵本のこと。 ①息子のために描いたミニ絵本 pic.twitter.com/sKy9zV2g6v — ヒグチユウコ (@nekonoboris) 2013, 10月 2 ②息子のために描いた絵本 pic.twitter.com/JwWjYorQnR — ヒグチユウコ (@nekonoboris) 2013, 10月 2
新聞に掲載される保守・右派論壇誌の広告では「嫌韓嫌中」や「愛国」を強く打ち出す見出しが目に付く。そうした広告の変遷をたどり分析した『憎悪の広告』(合同出版)が刊行された。新聞広告は数百万単位の人の目に触れ、より影響力が大きいと考えたからだという。 分析したのは、『神国日本のトンデモ決戦生活』(… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。
ロングセラーの絵本「100万回生きたねこ」の作者で、5年前に亡くなった佐野洋子さん(享年72)の育児エッセーが出版されました。タイトルは、「私の息子はサルだった」(新潮社)。その「息子」から見た、母・佐野洋子の素顔とは――。 佐野洋子さんは、2010年11月に乳がんで他界した。それから3年余り経った昨春、仕事部屋からエッセーの原稿が見つかった。主人公は、一人息子で絵本作家の広瀬弦さん(47)。3歳から思春期になるまでの成長記録がつづられていた。 広瀬弦さんが語る素顔 原稿には、僕の日常が観察日記のように切り取られていました。 好きな女の子が家に遊びに来たのがうれしくて、「ウッフォー」と叫び跳びはねるサルのような僕。好きな女の子を自分に振り向かせる術も分からず、その子のことをそっと見守っていた僕……。 実は10代の終わりごろ、「もう(エッセーの)ネタにするのは勘弁してくれ」とあの人を叱りまし
精神をめぐる問いに終わりはない 在野の学者として、西洋哲学・文化研究やヘーゲルの翻訳などに画期的成果を残す著者が、日本の精神史に挑んだ。その十数年に及ぶ取り組みの成果をまとめあげたのが、本書だ。 『日本精神史(上)』(長谷川宏 著 講談社) 『日本精神史(下)』(長谷川宏 著 講談社) 精神の歴史とは何だろうか。 著者は、「人間が自然とともに生き、社会のなかに生きていく、その生きる力と生きるすがた」が精神であり、「精神は一人の人間のうちにも、少人数の集団のうちにも、もっと大きな集団や共同体のうちにも見てとれる」としたうえで、本書では日本の縄文時代から江戸時代までの、人びとの精神のありようを時代順に追う。 専門とする西洋の学問ではなく、「若い頃から親しんできたこの国の造形品や書物」を相手に考察するというのだから、意外性も手伝って、期待感はいや増す。 実際、読後に期待感は満たされる。満たされる
三谷幸喜脚本・監督『ギャラクシー街道』(2015)を観た。本作に関する限り、ネット上の評判は「酷評」であるらしい。なるほど、これまでの三谷作品は、どれもほど良いコメディであり、見るものに、一種の心地良さを提供してきた。 これまでの映画作品を時系列にみると、、 ラヂオの時間(1997) ラジオドラマの裏側 ラヂオの時間 スタンダード・エディション [DVD] 出版社/メーカー: 東宝発売日: 2005/12/23メディア: DVD購入: 2人 クリック: 64回この商品を含むブログ (135件) を見る みんなの家(2001) 持家を建てる夢の実現中に起きる親子の齟齬 みんなのいえ スタンダード・エディション [DVD] 出版社/メーカー: 東宝発売日: 2005/12/23メディア: DVD購入: 1人 クリック: 33回この商品を含むブログ (96件) を見る THE 有頂天ホテル
水曜日は鶴澤寛也さんの講演とワークショップ。 寛也さんは今年の4月のアートマネジメント副専攻のインターンシップの受け入れ先を矢内賢二さんに探してもらったときに、「渡りに船」というか「地獄で仏」というか、そういうタイミングでインターン生たちを受け容れてくださった方である。 当日、私は別の仕事があって、打ち上げの席に後から参加して、そのときはじめてお目にかかったのである。 江戸前の、まことに粋な方で、私は衝撃のあまりブログ日記に「玲瓏なる美女」と、ふだんあまり用いない形容詞を動員したほどであった。 そのときに、今度『考える人』のインタビューに出てくださいとお願いしたらご快諾いただき、『考える人』のときには、今度大学に来てワークショップしてくださいとお願いしたらご快諾いただき・・・というふうに「とんとん」と話がまとまってその日を迎えたのである。 ワークショップにはもう少し学生たちが集まってくれる
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