11月11日(2010年)に慶應大学で特別講義をした。テーマは「新聞と雑誌ジャ-ナリズムの違い」について。違いをひと言でいえば、新聞は客観報道(あくまでも建前だが)、雑誌は主観報道である。 雑誌、なかでも週刊誌がこれまで果たしてきた役割と、最後に、既存のメディアが衰退してきているのは、情報提供側の既存メディアへの不信感の高まりと、情報の流れが変わってきたからだという話をした。 不信感とは、メディアが権力側と癒着していて、内部告発情報を持ち込んでも、取り上げる前に向こうへご注進してしまうのではないかということも含めてである。 情報の流れの変化とは、少し前々までは、新聞で書けない情報は、記者から付き合いのある週刊誌に伝えられ、週刊誌でも書けないものは『噂の真相』などの独立系の雑誌へ流れる「受け皿」があった。だが、『噂の真相』も休刊し、週刊誌もかつてのようなやんちゃさは影を潜め、新聞は検察報道に