国内の教育機関で近畿大学と京都大学の2大学だけが保有する実験・研究用の原子炉が相次いで運転を停止していることが22日、わかった。原子力規制委員会が昨年12月、電力会社の商業用原発だけではなく、実験・研究用の原子炉の安全性も審査する新基準を施行したためだ。現在のところ再開のめどはたっておらず、大学関係者は「研究や実習に原子炉が使えないと原子力関連の人材育成が滞り、長い目でみると原発の安全性の低下を招く」と懸念している。 近大は、大阪府東大阪市のキャンパスの原子力研究所に直径4メートル、高さ2メートルで熱出力1ワットの原子炉を保有。関西電力大飯原発(福井県)1基の約30億分の1と国内最小の原子炉ながら、核燃料を使い熱を発生させる通常の原発とほぼ同じ構造だ。京大も同府熊取町の原子炉実験所に同5千キロワットと同100ワットの2つの原子炉を持つ。 ただ、昨年12月に規制委の安全性審査の新基準が施行さ