現実は「地味」なのか? ―― 「おおかみこども」には人生のリアルが反映されているというお話ですが、アニメーションでリアルさを追求したことに対して、何かしらの壁や、デメリットのようなものはありましたでしょうか。 壁というのは、映画を制作する上ではいくらでも出てくるんですが(苦笑)、映画公開の後にいただいた言葉に、「この企画を成立させたスタッフに敬意を表する」というものがあったんです。それは、逆に言うと、こうした企画を成立させるまでにはさまざまな障害が予想される、ということだと思いました。 ―― 「こうした企画」というのは? 要は、ちょっと地味なんじゃないか、ということなんです。アニメーションというのは、いくらでも架空のファンタジーを描ける映像なのに、「おおかみこども」は日常描写がほとんどです。制作中にも、「アニメ映画」としては淡々とし過ぎているんじゃないかという懸念は出ていました。プロデュー
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