原子力規制委員会の田中俊一委員長は5日の定例記者会見で、規制委に原子力発電所の審査基準の見直しを求めた日本火山学会原子力問題対応委員会(委員長=石原和弘・京都大学名誉教授)に対し、「もっと早急に発信すべきだ」と批判した。 規制委は昨年6月にまとめた審査手引で、原発の周辺の火山をモニタリング(継続監視)し、異常を捉えたら運転を止めることにしている。九州電力川内原発(鹿児島県)の再稼働を控え、火山学会の専門家らによる規制委の検討チームで観測方法を議論している。 しかし、検討チーム委員でもある石原氏は2日に提言を発表した際、噴火予測の限界に触れ、「モニタリングで噴火予測ができるという前提は怖い」と規制委を批判していた。 これに対し田中氏は「火山学会をあげて夜も寝ずに観測して頑張ってもらわないと困る」と不快感を示した。