中国の研究チームが、人間の母乳代わりになる可能性を秘めた乳を出す「遺伝子組み換え乳牛」を誕生させた。中国では2008年、メラミン入り粉ミルクを飲んだ乳幼児少なくとも6人が死亡し、約30万人が健康被害を訴えるなど大きな社会問題となっていた。 中国農業大学の研究者らは、乳牛の胚のDNAにヒトの遺伝子コードを組み入れる研究を行い、人間の母乳と同等の栄養分を持つ乳を出す牛を2003年に初めて誕生させた。遺伝子組み換え乳牛が出すミルクは人間の母乳よりも味が強く、甘いという。 北京郊外の試験農場には現在、そうした遺伝子組み換え乳牛が300頭おり、毎週子牛も生まれている。 このプロジェクトを率いるリー・ニン教授は「われわれの遺伝子組み換え牛乳は、母乳の成分と80%同じ」とし、その中には免疫システムを向上させるとみられる抗体なども含まれていると説明。この研究は、同国のバイオテクノロジー大手企業から支援を受