金メダルを手に笑顔を見せる内村=ロンドンのノースグリニッジ・アリーナで2012年8月1日、望月亮一撮影(毎日新聞) 写真を拡大 【ロンドン川崎桂吾】体操男子個人総合で28年ぶりとなる金メダルを日本にもたらした内村航平(こうへい)選手(23)。表彰台に上った時、観客席にいた母周子(しゅうこ)さんの方を向いてガッツポーズをした。栄光をつかんだ背景には、絵が得意な周子さんの影響を受け、漫画に触発された独特の「空中感覚」があった。 ◇描いた技より高く 表彰式直後のテレビインタビュー。ガッツポーズについて問われると笑顔で「やっぱり親には一番の感謝の気持ちがこみ上げてきているので『本当にありがとう』という気持ちでガッツポーズしました」。そして胸元に輝く金メダルを掲げ、言った。 「いやあ重たいし、一番輝いています。ハイ」 ◇ 内村選手の強さを支えるのは、普通の人間にはない空中感覚だ。昨年の世界