楽屋の笑い話から 大ヒット漫画へ —矢部さんが『大家さんと僕』を描くに至るまでの経緯を教えてください。 矢部:正直、自分が漫画を描くとはまったく思っていませんでした。楽屋で笑い話のネタとして話していたことはあったりしたのですが。一軒家なのに、大家さんが1階で僕が2階に住んでるって変わってるじゃないですか。しかもすごく仲がいいんですよ(笑)。 漫画化のきっかけは、漫画原作者の倉科遼先生です。大家さんと京王プラザホテルでお茶をしていたときに、以前から知り合いだった倉科先生にたまたまお会いしたんです。「おばあちゃん孝行だね」と言われて、「いえ、大家さんなんです」と答えたら、「お茶したりして不思議な関係だね」って驚かれて。 話をするうちに「映画とか舞台の脚本にしたいから、どんな出来事があったかもっと教えてよ」と言われたので、後日絵コンテを描いて持っていきました。そしたら倉科先生が「すごい面白いから