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ブックマーク / d.hatena.ne.jp/zoot32 (10)

  • 『アウトレイジ』を見たゼ! - 空中キャンプ

    新宿にて。北野武新作。初日。とてもよかったです! 北野にとってのホームグラウンドである暴力映画というフィールドにふたたび戻ってくることで、彼がやくざ映画のフォーマットを通して表現したいことはなにか、バイオレンス描写をどのようにとらえているかがより明確になったようにおもいました。監督みずからおこなう編集のセンスとビジュアルのキレはすばらしいのひとこと。北野は以前に「人の撮った映画を編集する仕事もしてみたい」と話しており、北野のエディットがいかにすぐれているかを再確認できた一でもあった。 かつて北野は『レザボア・ドッグス』の有名なワンシーン(以下画像)を評して、「まるで歌舞伎の型ように完成されたかたちがある」といった。この視点にはおもわず膝を打ったことをよく覚えている。たしかにこのビジュアルには、一瞬のなかに永遠を封じこめたような完成されたうつくしさがある。このかたちを歌舞伎のようだと感じる

    『アウトレイジ』を見たゼ! - 空中キャンプ
  • 『イングロリアス・バスターズ』を見たゼ! - 空中キャンプ

  • 『空気人形』を見たゼ! - 空中キャンプ

    渋谷にて。初日。是枝裕和新作。とてもよかったです! すごくいい映画でした。是枝のフィルモグラフィーは、つねに、あたらしい方向性とアイデアで刷新されつづけてきていますが、今回はおもいきって性の暗部にも踏み込むなど、さらに新境地を見いだした感があります。とつぜん心を持ってしまった、人形の女の子の物語。 空気でふくらませる人形を恋人に見立てて同居している独身男性(もちろん夜は性行為あり)、という生々しさにもかかわらず、描き方はまったく下品ではなく、映画のたたずまいは凛としている、というあたりに、是枝監督の矜持を見ました。『ラースと、その彼女』とはまた別の方向性を持つファンタジーになっていましたが、孤独というテーマを扱う手つきには、どこか共通点も感じられました*1。ペ・ドゥナかわいい! 全脱ぎ! しかし、ペ・ドゥナのはだかがいっさい下品にならないのも、ストーリーの力だとおもいました。 この映画にで

    『空気人形』を見たゼ! - 空中キャンプ
  • 『ヤッターマン』を見たゼ!- 空中キャンプ

    渋谷にて。三池崇史新作。すごくよかったです! おもしろかった。深田恭子はほんとうにすばらしいですね。三池が「日の宝」と呼んだ、深田のキュートな姿が全編にわたって躍動するたのしい映画でした。 三池のフィルモグラフィーにおいて『ヤッターマン』との類似性を連想したのは『妖怪大戦争』(‘05)である。このふたつに共通点としてあるのは、小学生のためのエロス、決して直接的ではない微エロを刻印する、という作風である。実に周到であると感じた。三池は意図してこうした微エロのくだりを見せており、『ヤッターマン』で性に目覚めてしまう子どもたちが続出することはまちがいないとおもわれる。 考えてみれば、小学生にとってのエロスとは、イコールおっぱいである。彼らはまだ幼く、おっぱい以外のパーツにエロスを見出す感受性がない。『ヤッターマン』において、もちろんおっぱいもエロスの要素として導入されていて、ドロンジョ役の深田

  • http://d.hatena.ne.jp/zoot32/20081206

  • 『アキレスと亀』を見たゼ! - 空中キャンプ

    新宿にて。北野武新作。前二作である『TAKESHIS’』『監督、ばんざい!』については、見る勇気がわかず、劇場へいくのはスルーしてしまったのですが(未見のまま…)、『ソナチネ』の監督を無視していいのか、という義務感みたいなものがあって、見てきました。主人公の描き方がとてもよくて、見終わった後にずしんと不安な気持ちが残るようないい映画でした。売れない画家が、死ぬまで絵を描きつづけようとするというあらすじ。 表現に取り憑かれてしまった人は、表現以外のことをするという選択肢がほとんどなく、平日は会社員をやって、土日で絵を描くというような器用なことができない。表現と社会性とは相容れない。なぜなら彼が道を歩いていて、にわとりがいたとすれば、にわとりの絵を描きたくなるに決まっているのであって、出社途中だとか、社員としての責任がとか、そういった問題ではなく、今すぐ、ここでにわとりをスケッチしなければ彼は

  • 映画「ミスト」 - 空中キャンプ

  • かしゆかより志ん生の方がかわいいよ - 空中キャンプ

    かしゆかってどんな子なのだろう。わたしはかしゆかに興味があったが、問題はかしゆかのことをあまりよく理解していないという点である。どの子がかしゆかなのか。Perfumeには、「髪のみじかい子」「ストレートのロング」「いつもかっぽう着の子」の三人がいることをわたしは知っていたが、かしゆかがいったいどの子かはよくわからない。あの、つねにかっぽう着、もしくはマタニティードレスふうの服を着ている子なのだろうか。 かんたんな調査の後、かしゆかは「ストレートのロング」であることがわかった。決め打ちでかしゆかファンになったわたし。かしゆかがどの子かも知らないまま…。しかし、誰かを好きになるというのは、えてしてそういうものだ。われわれは、相手の人間性など知らないまま、誰かに恋愛感情を抱き、事後的に相手について学習してから、過去の行為や感情をあらためて意味づけし直すことができる。過去は可塑的であり、観察者によ

    かしゆかより志ん生の方がかわいいよ - 空中キャンプ
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    popup-desktop 2008/03/08
    飛躍に次ぐ飛躍。
  • 「のはなし」/伊集院光 - 空中キャンプ

    伊集院光のエッセイ80をまとめた新刊。いやー、これはおもしろい。声だして笑ったなー。職のモノ書きでも、ここまで笑える文章を書ける人はなかなかいないのではないだろうか。太田光もラジオで絶賛していましたが、たしかにこれはいい。渋谷パルコではさっそく平積みで売っていて、わたしはパルコでこのを買ったけど、あのおしゃれな空間は伊集院というキャラクターにまったくそぐわなくて実によかった。気がつくと、なんだかあっという間に読了してしまった。 このエッセイは、携帯電話会社がメールマガジンとして配信していた素材をまとめている。「週三回の配信、一度につき400字以上」というのが、連載の条件だったという。考えてみると、これはかなりしんどい。伊集院は、この連載を750回ほど続け、その中の80をよりすぐって一冊のにした。すごいよね、週三回のペースで750回続けるというのは(月に13回と仮定して、58ヶ月=

  • 空中キャンプ - 「めがね」を見たゼ!

    新宿にて。とても興味ぶかく見ました。作品ぜんたいに志が感じられるし、品のある映画だという好印象を持ちました。映像や、役者たちの所作にもほどよい緊張があってよかった。個人的にはすきな作品ですが、なにかと誤解されやすい部分もあるとおもうので、そのあたりをフォローできればとおもいつつ書いています。 荻上監督の前作「かもめ堂」はおおむね好評でしたが、中にはいくつかの批判もありました。曰く「非現実的である」「商売はそんなに甘くない」「世の中はもっと欲望に満ちているはずだ」「夢想したまま歳を取るなんて虚しい」等々。その批判は今作にも当てはまる可能性がある。田舎でゆっくりと自由に暮らす人々──という基プロットだけでも、批判的な意見が想像されます。「田舎暮らし」という実体のない幻想や、LOHAS的な安易さ。荻上はその批判を先取りするかのように、劇中、田舎で暮らす似非エコロジストたちのコミューン生活をい

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