櫛枝みのりは女である事と戦い続けている。発端は弟より才能があった野球を、女だからという理由で続けられなかったことだと語っているが、女である時点で男と混ざって野球をするのは能力的に無理で、それは本人も分かっている。それでも高校球児である弟に嫉妬し、バイトで金を貯めて大学に行き、ソフトボール日本代表になることを目指している。 ソフトボール日本代表になることとバイトで金を貯めることにはそもそも関係がないが、彼女は傍目から見て気の毒になるほど自分の時間を削りバイトをし部活に打ち込む。「自分の幸せを自分で決め、自分だけの力で幸せになる」という自分の目的のためにすべてを犠牲にしている。 女であるということは、他人のために生き、他人に幸せにしてもらうことだと一般に考えられている。女の名前に子がつくのは、子を産むことが目的であることを表し、美が付くのは、美しくなければ価値がないこと表している。社会的に女は