いつだって、物語が必要だ。映画もドラマもゲームも小説も。物語は私達が生きていくうえで、前に進む上でぜったいに必要な伴走者であり、ときに自分の人生をより深く理解するためのガイドにもなってくれる。だから私達は物語を求める。でもときに、物語はときに私達を苦しめ、現実の人生に欺瞞の粉を振りかける。 Netflixを代表するオリジナルアニメであり、2020年にシーズン6で完結した『ボージャック・ホースマン』もまた、多くの視聴者に寄り添ってくれる、極めて優れた物語だった。同時に、巧みなストーリーテリングと演出によって一頭の馬の物語に普遍性を与えたクリエイターのラファエル・ボブ=ワクスバーグは、物語が私達にもたらす苦いもの、すら露わにした。不思議なことに、その苦さがあったからこそ、『ボージャック・ホースマン』のラストシーンはとびきり美しく、多くの視聴者に言葉にできない感動を残した。 物語のネガティブな部