トップ連載【宗教リテラシー向上委員会】 「科学と宗教の関係」を描く『チ。』の問題点 藤井修平 2024年9月21日 2024年10月から、魚豊氏の漫画『チ。 地球の運動について』のアニメがNHKで放送されることが発表された。本作は手塚治虫文化賞のマンガ大賞をはじめ多くの賞を受賞している評価の高い作品だが、キリスト教と科学史に対する偏見を植え付けかねない問題作だと私は考えている。今回は、本作に見られる問題点から「科学と宗教リテラシー」の必要性を指摘したい。 本作の舞台は15世紀ヨーロッパの「P王国(人名からしてポーランドと思われる)」。主人公の一人ラファウは、一般に信じられている天動説ではなく地動説が正しいと確信する。しかしその説は当時普及していた「C教」が異端研究とするものであり、彼と彼の地動説を継承する人々は、異端審問官による迫害にさらされる――というストーリーである。 SNS上で何人か