中国のITの進歩や経済力は魅力的だ。だが、一方で中国共産党の専制体制のもとで、社会の言論の自由は制限され、海外メディアによる自由な取材活動も限界がある。これは、同国で大きなタブーである政治分野だけではなく、一般的な話題についての取材も同様だ。記者証を持たないフリーランスにとっては、なおさら大変である。 そんな中国を舞台に、深センのネトゲ廃人村などディープな取材を手がけてきた「文春オンライン」でもおなじみの安田峰俊さん。5月18日発売の新刊『八九六四』は、“中国最大のタブー”六四天安門事件に挑んだ大型ルポだ。一方、週刊誌の仕事などで数多くの現場密着取材や潜入取材を手がけてきたのが、フリーライターの西谷格さん。3月に西谷さんが刊行した『ルポ 中国「潜入バイト」日記』(小学館新書)は、上海の寿司屋、抗日ドラマの撮影スタジオ、パクリキャラクターの着ぐるみが踊りまくる遊園地などなど、中国の数々の「怪