鶴田真由といえば、テレビへの露出こそ減ったものの、映画や舞台などで好演を見せ、アーティスティックな活動でも知られる知性派女優。その鶴田が最近、旅行エッセイを出版したというので、てっきりアジアやアフリカの異文化体験記でも書いたのかと思いきや、これがとんでもない内容だった。 『神社めぐりをしていたらエルサレムに立っていた』(幻冬舎)というタイトルがついたこの本、完全に例の「日ユ同祖論」本だったのである。 「日ユ同祖論」とは、日本人とユダヤ人は共通の先祖をもつ兄弟民族であると主張する、オカルト界隈で人気のコンテンツ。もちろん科学的にはなんの根拠もないのだが、言語や神社に伝わる神具や、古代から伝承される文献、歌い継がれてきた民謡などの日本の文化と、ユダヤ人の文化の間に、無理やり共通項を見出して、「やっぱり日本人とユダヤ人には同じルーツをもつ世界でも優秀な民族だ」などと盛り上がるヤツだ。派生系では、