【ワシントン=三井誠】カラスは15分後に得られる大きなエサのため、目の前にある少ないエサを無視できるとする実験結果を、スウェーデンの研究チームがまとめた。 道具を使うなど高度な知能を持つカラスが、将来を見越して自制する能力もあることを示した成果で、論文が米科学誌サイエンスに掲載された。 研究チームは、石を落とすと大きなエサが出る箱形の装置を使って実験。まず「ワタリガラス」と呼ばれる大型のカラスに、装置の仕組みを訓練で覚えさせた。訓練を終えたカラス3羽の前に、エサを取るのに必要な石、少量のエサ、装置に入らないT字の鉄パイプなどを並べて一つ選ばせ、その15分後に装置を出す実験を、それぞれ14回繰り返した。