裁判員制度が始まって丸2年が経過した。一般の人々が裁判に参加できるという点に限れば、歓迎すべき制度だといえる。しかし、この2年で見えてきた同制度の「致命的」な問題点もたくさんある。以下、その最大のポイントである「公判前整理手続き」について検討してみる。 裁判員裁判では、裁判所が事件の争点や証拠を整理する手続きが、裁判官と検察官、弁護人の3者によって公判前におこなわれる。その手続きを、「公判前整理手続き」という。同手続きの目的は、なによりも裁判員が審理に参加する際の「わかりやすさ」と、審理や公判の「スピード」をあげることだといえる。 とはいえ、この手続きには多大な時間がかかる。つまり、裁判員が参加する審理や公判のスピードがあがっても、それ以前の手続きに時間を費やす。よって、裁判に要する時間のトータルで考えると、同手続きをおこなわない裁判よりも結審が遅くなることが多いのだ。 また、同手続きは、