生殖補助医療の中で、もっとも古くから行われてきたのがAID(非配偶者間人工授精)だ。第三者の精子を人工授精する治療で、国内では1949年に初めて慶応義塾大学病院で出産にいたり、現在、AIDによる出生児数は毎年100人、累計で1万5000人から2万人にもなると推定される。しかし、そのうち、ほとんどの子どもが事実を知らされていない。そんな中、2000年代に入り、偶然、真実を知ったAIDで生まれた子どもたちが「出自を知る権利」を求め始めた。真実を知りたい子と、それを隠したい親。双方の声を聞いた。(ライター・中村計/Yahoo!ニュース 特集編集部)