何か似ているな、と2月の朝青龍引退劇をつい思いだした。一般人への暴行問題で横綱審議委員会が理事会に先立って決めた「引退勧告」だ。出席した10人の横審委員は民間の代表でいわば「民意」でもあった。“出場停止で…”と、うやむやのまま現役続行を模索する理事もいたが、民意の重みに結局は引退させざるをえなかった。 小沢一郎民主党幹事長の政治資金規正法違反事件で、検察審査会が「起訴相当」と議決した。検察のプロが不起訴処分にしたのを、市民感覚で「起訴すべき」とした。前日、鳩山首相には同じ問題で不起訴相当との判断が出ていただけに、どこがどう違うのか門外漢にはさっぱりわからない。 検察審査会は選挙人名簿からクジで選ばれた11人が審査員になり、毎年1万4000人に1人が選ばれるそうだ。民意といっても相撲に造詣が深く一家言もつ横審委員と違い、法律はシロウトだろう。それでも市民目線で見れば供述は信用できず許し難いこ