WHOのサイトで年齢調整死亡率でみると、英国、ドイツ、米国は明らかに減少していますし、フランスはもともと低く、横ばいかやや減少です。一方で日本は横ばいかやや上昇です。 また、死亡率ではなく、子宮頸がんと診断された数の指標である罹患率でも、ほとんどの先進国の傾向と違って日本では増加傾向にあるという研究もあります(※)。日本の年齢調整後の子宮頸がん罹患率は、1997年までは減少していましたが、その後は増加しています。増加は50歳未満でみられ、50歳以上では明らかな変化は認めません。また、日系アメリカ人や韓国人ではそのような増加は観察できません。 日本で子宮頸がんが増えている理由は明確にはわかりません。子宮頸がんのほとんどは性交渉で感染するHPV(ヒトパピローマウイルス)が原因です。性交開始年齢が早まっていることが原因の一つだと考えれば、罹患率の上昇が若い世代でみられていることは説明できます。