“市場ニーズの拡大”は、時として“サイズ拡大”と同義になる。 それが顕著なのが、クルマの世界。例えば、BMWの3シリーズを代表とする「Dセグメント」の今の標準サイズは、10年前は5シリーズなどその1つ上のクラスである「Eセグメント」の標準的なサイズだった。快適性や利便性を求めるユーザーの声に応えていくことで、ジリジリとサイズが拡大していったのだ。 スマートフォンの世界でも、同じことがいえる。アプリの高度化やクラウドサービスの利用、YouTubeなど各種動画サービスの普及など、その活用範囲が拡大したことにより、より大きな画面と万能性を求められるようになった。クルマの標準サイズが拡大し、より大型で万能なSUV(スポーツユーティリティビーグル)が人気を博したように、スマートフォンもまた“大型化”の波にさらされたのだ。 しかし、揺り戻しもある。なぜなら、大型化によって損なわれる「本来的な使い勝手の