実際に紛争が起きた場合は、さらなるハードルがある。「抵触法を考慮することなく、カリフォルニア州法に準拠する」とし、日本の法律では争うことができないとされている。そして、そもそも訴訟になること自体を回避するため、「仲裁合意」という項目が設けられている。仲裁とは、紛争を第三者である仲裁人の判断に委ね、その判断に従うという合意に基づき紛争を解決する手続のことをいう。 米国には、クラス・アクションという制度が存在する。これは、個人が、同じような立場にある多数の人々を代表して訴訟提起し、集団的な請求を行うことを可能とするものだ。原告の数が膨れ上がることで、請求が巨額になることがあり、企業にとっては大きな経営リスク。そのため、紛争が起きてもなるべく司法の場に持ち込ませないように考えられている。 規約の中では、「仲裁人は、弁護士免許を有する引退した裁判官又は弁護士のいずれかとし、当事者によってAAA