地名には、先人からの知恵やメッセージが込められている。 何度も災害にあった土地の名にも、必ず手がかりが残るはずだ。 その真の意味を知れば、危険を回避できるかもしれない。 (一個人増刊『47都道府県 地名の謎と歴史』) 地図から消えた〝幻の暴れ川〟明治時代の地図には、目黒村の西から東へと蛇のように激しく流れる蛇崩川や蛇崩という字名が見られる。「荏原郡目黒村全図」明治44年 ■いにしえより地名に思いを込め警鐘を鳴らしてきた 災害大国といわれる日本で、最も頻繁に起きるのが水害。豪雨による川の氾濫など、昔から大規模な水害が全国各地で繰り返されてきたが、特に昨今は、地球温暖化による異常気象が問題視されるようになった。 「昔は数十年に一度だった水害が、今では毎年のように起きています」 長年地名に関する研究を続けてきた楠原佑介さんによると、「繰り返される水害を防ぐべく、古より人は地名に思いを込め、警鐘を