エントランスには、鯉が泳ぐ池を囲むように... まず、エントランスからして非常に特徴的だ。鯉が泳ぐ中央の池を囲むように、らせん状の“ゴージャスな”スロープが続いているのである(先導してくれた友人が、なんのためらいもなく自転車を押してそこを上がっていったことにも驚かされた)。 そして、その先に現れる2階の廊下には、サブカル臭満点の飲み屋が並んでいたのだった。それぞれの店が強烈すぎる個性を放っているものだから、とってつけたような“調和”は存在しない。 味園ビルのらせん階段 にもかかわらず、フロア全体がひとつの作品のようでもあった。訪れたことのある方なら共感していただけると思うが、ここまで個性的な場所はそうそうないだろう。 ビルが建てられたのは1955年で、80年代のバブル期には大阪・ミナミを代表するレジャースポットとして活況を呈した。当時は地下1階にキャバレー「ユニバース」があり、3階にはマッ