統計学あるいはデータ解析の基礎について,ビジネスパーソン向けに書かれた入門書・・・というと他にも類書がいっぱいあるが,この本はかなりユニーク。お得意先からの依頼に統計アナリストとしてどう答えるか,という視点で架空のストーリーが構成され,統計学の手法が紹介されていく。 本書でカバーされている話題は以下の通り: 実験計画 最適化 データの可視化 仮説検定 ベイズ統計と主観確率 ヒューリスティクス ヒストグラム 回帰分析 RDBとクリーニング これを見ても非常に個性的であることがわかる。つまり,データ解析の本でありながら実験の話で始まり,いきなり最適化(線形計画法)の話題になって,次に可視化に触れる。ベイズの定理を用いた意思決定については,2章を割いて詳しい叙述がなされている。 一方,統計学の入門書であればメインに扱われる仮説検定や回帰分析については,最小限(見方によっては不十分な)知識しか与え