「報道に出るのが個人情報漏洩事故ばかりなので、分析の視野が狭くなっている」。元陸上自衛隊 システム防護隊 初代隊長でもある経済産業省 商務情報政策局 サイバーセキュリティ・情報化審議官の伊東寛氏はこう主張する。伊東氏は日経BP社主催の「Cloud Days/ビッグデータ EXPO/セキュリティ/モバイル&ウエアラブル/IoT Japan/ワークスタイル変革/FACTORY/デジタルマーケティング」の基調講演に登壇した。 個人情報の漏洩事故が発生したサイバー攻撃に関する報道は多い。伊東氏は「個人情報漏洩が目立つのは攻撃を受ける側の事情であって、攻撃する側が対象を変えているわけではない。民間企業は知的財産が狙われる、恐喝されるという攻撃を受けている。そうした攻撃については、被害企業は公表したがらないために表に出てこないだけだ」と話す。 2016年に報道された大手旅行代理店のセキュリティ事故では