本の返却時期はそろそろ来るので、最後の部分だけ。 押井 (前略)創始者たちが始めた時は、もうちょっと、小さなところからいろんな試みができた。創始者直後の世代だと、アンチテーゼとしてならまだやりようがある。でも今のアニメーションは、どういう世界の誰の考えがどういうふうぶ反映されているのか、よくわからない部分がある。 結局アニメっていうのは、宮さんや富野さんや出崎(統)さんや、うちの師匠(鳥海永行氏)もそうだけど……という人たちが初めて、それで終わるんじゃないか。終わるというのは消滅するという意味じゃないよ。ジャンルとしてインパクトを持った季節は終わるのかもしれない、ということ。あとは細々と、趣味の世界として生きながらえていくだけじゃないのか……。創始者とともに終わるジャンルってあると思うんだ。絵とか彫刻とかと比べたら、アニメなんてたかだかここ数十年のものでさ。映画だってここ百年のものにしか過