『天空の城 ラピュタ』には「人間と自然の関係」についての問題意識が込められている。結果として単純明快な冒険活劇にならなかったのは、そういった重たいテーマを扱ったためとも言われている。僕も公開時に、そうなのだろうと思った(今はそういったテーマを扱いつつ、もっと活劇の部分を押せたのではないかと思っている)。また、問題意識があったからこそ、単なる冒険活劇で終わらず、厚みのある作品になったという評もある。 アニメージュが編集した「劇場アニメ70年史」の本作解説を引用しよう。『ラピュタ』について詳しいアニメージュのスタッフが書いたものだ(念のため記しておくと、鈴木敏夫編集長の原稿ではない)。 [解説]「ナウシカ」に続く宮崎駿原作・脚本・監督作品。企画当初は単純な冒険物語だったが、脚本・絵コンテと積み上げていくうちに、やはり現代性を色濃く反映して「人は大地と離れて生きられない」とのシータの叫びで、冒険