日本銀行がデフレ脱却へ1%の物 価上昇率を目指すと宣言し、10兆円の国債買い入れ増を決定した。し かし、エコノミストの多くは今回の金融緩和では目標実現には不十分 とみている。資産買い入れ等基金を一気に100兆円規模まで拡大した り、外貨建て債券の購入に踏み切ることが必要だとの指摘が出ている。 意表を突く追加緩和により、ひとまず金融市場は株高・円安に反 応した。信州大学の真壁昭夫教授は「10兆円の増額は短期的にポジテ ィブサプライズをもたらしたことは間違いない」と指摘する。しかし、 ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト21人を対象に実施した調査 によると、19人が物価上昇率などの目標実現には不十分と回答した。 日銀は14日の金融政策決定会合で、これまでの「物価安定の理解」 に替えて「物価安定の目途(めど)」を導入。当面、消費者物価指数 (CPI)の前年比上昇率で「1%」を目指し、それが見通