日本人の死因第3位にランクインし、着々と死亡率が高まっている肺炎。シニアにとって肺炎対策はもはや避けて通れない問題となっている。今、なぜ肺炎なのか――。そこには「のどの老化」が密接に関係していた。 本特集では、嚥下治療のエキスパートである西山耳鼻咽喉科医院院長の西山耕一郎医師に、のどの老化を防ぎ、肺炎を遠ざけ、健康寿命を延ばすためにやるべきことを聞いていく。第2回となる今回は、飲食物が誤って気管に入る「誤嚥」が引き起こす「誤嚥性肺炎」について詳しく解説する。 前回は、日本で今、シニア層を中心に飲み込む力が衰える「のどの老化」が進んでいることを解説した。そのまま放置すると肺炎につながる危険性がある。 飲み込む力が衰えると、食べ物が気管や肺に入ってしまう「誤嚥」を起こしやすくなる。その後、加齢に伴ってのどの老化が進むと、誤嚥する量や回数が増えていき、「誤嚥性肺炎」を引き起こす。これにより命を失
