適切な水分摂取が、老化や病気の予防に役立つ――。そんな可能性を示す研究結果が米国で報告されました(*1)。 「老化の加速に水分摂取量が関係する」仮説を検証 実年齢は同じでも、身体的(生物学的)には実年齢より若い人と、老化が進んでいる人がいます。老化を加速させる原因にはどんなものがあるのでしょうか。今回、米国立衛生研究所(NIH)心肺血液研究所の研究者らが着目したのが、水分摂取量です。 これまでに、マウスによる実験では、生涯を通じて水分摂取制限を行うと、寿命が短縮し、複数臓器の変性が促進されることが示されていました。一方、人間では、1日あたりの水分摂取量の個体差が大きいこと、世界的には、推奨される量を摂取していない人が多いことが知られています。そうした情報に基づいて、研究者たちは、「水分摂取量を最適化すると加齢の進行が遅れる」という仮説を立て、これを検証することにしました。 分析の対象とした