去年の夏前くらいに雑誌に投稿した論説。基本的な認識ではあまり変わらないが、むしろ中国共産党のデフレ放置にも思える政策状況や中国不動産市場の低迷の深さについては最近さらに悪化している。それについてはここ最近のこのブログでも補っているし、ラジオや新聞の論説でも言及しているところである。とりあえず一年近く前のものだが掲載する。 中国経済が、過去の日本と同じようにデフレに陥るかもしれない。上海のロックダウンに象徴される新型コロナウイルス対策をやめた当初は、急成長に期待する向きもあった。だが、実際には欧米の景気の失速や、米中対立によって輸出が減速している。輸出の減速は製造業を中心とした雇用を悪化させ、民間消費を落ち込ませる原因になっている。 他方で、不動産市場の低迷が中国経済の重石になっている。中国では不動産市場は重要な位置にあり、GDPの約11%。建設業などの関連部門を合わせると経済全体の3割強に