七つの大罪 黙示録の四騎士
アセモグルの最近のNBER論文はなるべく紹介するようにしてきたつもりだが、昨年9月の表題の論文(ungated版)が抜けていたので紹介してみる。原題は「Climate Change, Directed Innovation, and Energy Transition: The Long-run Consequences of the Shale Gas Revolution」で、著者はDaron Acemoglu(MIT)、Philippe Aghion(コレージュ・ド・フランス)、Lint Barrage(チューリッヒ工科大学)、David Hémous(チューリッヒ大学)。 以下はその要旨。 We investigate the short- and long-term effects of a natural gas boom in an economy where energy
というNBER論文(原題は「Capital and Wages」)をアセモグル(Daron Acemoglu、MIT)が上げている(ungated版)。 以下はその要旨。 Does capital accumulation increase labor demand and wages? Neoclassical production functions, where capital and labor are q-complements, ensure that the answer is yes, so long as labor markets are competitive. This result critically depends on the assumption that capital accumulation does not change the technolog
グローバルサウスという言葉はあまり好きではないが、一応、インド経済論として簡単に去年の秋ぐらいに書いたもの。 グローバルサウスという言葉が2023年の注目ワードだった。どうも厳密な定義はないようだが、ざっくりいうと中国やインドなど、政治や経済、安全保障面などで世界から注目を集めている新興国の一群を指している。 例えば、ブラジル、南アフリカ、サウジアラビア、インドネシアなどの国々をグローバルサウスの中心国として挙げることに異論はないだろう。半世紀前くらいには「南北問題」といわれた「南」と似ているが、そのときは「北」に属する欧米や日本に比べると経済発展の面で問題を抱え、貧困や格差、政治的不安定が解決すべき課題だった。だが、グローバルサウスには負のイメージよりも、米国中心の覇権システムに対抗する多極化する世界像が伴っている。 最近のできごとでは、G20サミットのインドでの開催が注目を集めていた。
はい、ラヴジョイの続き。 cruel.hatenablog.com 今回は、18世紀に、存在の大いなる連鎖が流行って、それが人間の立ち位置についての考え方に影響し、格差社会の弁明まで出てきました、という話。 ラヴジョイ『存在の大いなる連鎖』第6講:18世紀の人間の立ち位置 比較的中身は薄いというか、言われていることはそんなに意外ではなく、ああ、こういう考え方も出てくるかねえ。というもの。全体として、存在の位階があってそれが重要なんだから、人間は自分が特別と思うな、自分のポジションだけ守ってろ、改善しようとするな、という現状肯定イデオロギーが出てきた、ということになる。それぞれについて、いろんな詩人や評論家があれこれ言っているのを引用するけれど、ざっと見ておけばいい感じ。それが18世紀社会の維持に決定的な影響を持っていた、という感じではない。 ラヴジョイ『存在の大いなる連鎖』第6講:18世紀
韓国が「人口消滅」の危機に直面している。合計特殊出生率というデータがある。1人の女性が生涯で産む子供の平均人数を示したもので、人口の動きを見るのにしばしば使われている。 韓国の最新の合計特殊出生率は0・72で、先進国の中では断トツに低い。日本は、昨年1・26で「超低出生率」だが、韓国はそれをはるかに上回る「超々低出生率」だ。このままでは半世紀後には現在の人口(5167万人)が約30%減少し、1000年ほどたてば韓国の人口は消滅する。 よその国の話ともいえない。日本も韓国ほど猛スピードではないが、半世紀後にはやはり30%ほど人口が減少する。もちろん人口が減少していても、直接に経済や社会の停滞とイコールではない。景気が良く、1人当たりの所得水準や幸福感が増していればいい。要するに経済対策が少子化の経済を救う。 ところが韓国ではこの経済対策がうまくいっていない。いまから10年前の合計特殊出生率は
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く