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ブックマーク / robomind.co.jp (6)

  • 「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」批評の感想をいただきました

    僕は、このブログでAI技術以外のことは書かないことにしていますが、「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」批評2では、つい、教育に関して書いてしまいました。 新井紀子教授の主張が、あまりにも一方的で、人間のほんの一面しか捉えていないからです。 すると、ある小学校の校長先生から、感想をいただきました。 人の許可をいただきましたので、その内容を載せさせていただきます。 新井紀子「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」についての批評を拝読しました。 新井先生の御教育界に与えたインパクトは相当大きなものだと感じています。 特にアクティブラーニングを推奨していた方々の反論があっても良さそうなものですが、それがないのが気がかりでした。 しかし、それ以上に気がかりなのが、読解力の定義です。RSTに示された6つのテストパターンのみで偏差値として基礎読解力が評価されていいのかという問題です。

    「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」批評の感想をいただきました
  • 「太郎は花子が好きだ」をコンピュータに意味理解させました 「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」批評5

    「太郎は花子が好きだ」をコンピュータに意味理解させました 「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」批評5 「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」には、コンピュータで文の意味を理解できない例がいくつか挙げられていますので、まずは、それらを紹介します。 「私はあなたが好きだ」と「私はカレーが好きだ」との質的な意味の違いも、数学で表現するには非常に高いハードルがあります。(p.119) 一部のAI研究者は、・・・ たとえば、「机の上にリンゴと鉛筆がある」という文に対して、実際に机の上にりんごと鉛筆がのっている画像を合成できたら、それはAIが文の意味を理解したことになると主張します。 当にそうでしょうか? では、「太郎は花子が好きだ」はどんな画像にするのでしょう。(p.137) 「太郎は花子が好きだ」という文は、まさにその通りの意味で、何か他のものに還元することはできません。 「花子

    「太郎は花子が好きだ」をコンピュータに意味理解させました 「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」批評5
  • コンピュータで文の意味を理解しよう 「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」批評4

    コンピュータ(CPU)の中には、足し算回路や掛け算回路といった演算回路があって、プログラムは、最終的にこれら演算回路で処理されます。 人間の脳にも、CPUの演算回路に相当する回路があって、意味理解とは、最終的に、それらの回路で処理することに他ならないという話を前回しました。 そして、ウェイソンの4枚のカード問題から、ズル検出回路が、脳にある演算回路の一つだとわかりました。 僕の考えでは、脳の中の演算回路は、ズル検出回路以外に、「嬉しい」や、「悲しい」といった基的な感情があると考えています。 その他に、「感謝」や「善悪」といったものが考えられ、これらを総称して「認知パターン」と呼んでいます。 そして、意味理解とは、どの認知パターンに対応するかを計算する処理だと言い換えることができます。 たとえば、 「太郎は、誕生日に、お父さんからプレゼントをもらった」 という文は、 「プレゼントをもらう」

    コンピュータで文の意味を理解しよう 「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」批評4
  • そもそも、コンピュータが意味を理解するとは? 「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」批評3

    HOME > 自然言語処理 > そもそも、コンピュータが意味を理解するとは? 「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」批評3 自然言語処理では、今まで、どのような処理が行われてきたのか。 「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」で、新井紀子教授は、以下のようにまとめています。 AIが文章を論理的に読めるようになるとしたら、まずは文がどこで区切られるか、つまり文節が理解できなければなりません。 それができたら、「何がどうした」という主語と述語の関係や修飾語と被修飾語の関係を理解しないければなりません。 これを「係り受け解析」と言います。 また、文章には「それ」「これ」といった指示代名詞が頻繁に出てきますから、指示代名詞が何を指すかも理解できなければなりません。 それを「照応解決」と言います。(p186) 東ロボくんは、これらの処理を大学の入試問題に適用して、代名詞が何を指すかといった

    そもそも、コンピュータが意味を理解するとは? 「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」批評3
  • 文章を読めればAIに仕事を奪われない? 「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」批評2

    「東ロボくん」の目的は、AIにはどこまでできて、どうしてもできないことは何かを解明することでした。 そのためには、AIにできる能力を網羅的に調べないといけません。 新井教授は、能力を網羅的に調べるには、大学の入試問題が最適だと考えたようです。 大学で最も難しいのは東京大学です。 そこで、AI東大合格を目指せば、AIに何ができて、何ができないか解明できると考えたようです。 こうして始まったのが「東ロボくん」プロジェクトです。 東ロボくんプロジェクトで、どうしてもAIにできなかったのが文章の意味理解でした。 そこから、 AI時代に生き残る人材とは、文章を理解できる人材だ そう結論付けました。 そこで、今度は文章の読解能力を測定するテストを開発し、子どもたちの読解能力値を測定したそうです。 すると、驚くほど、読解能力がない子どもが多かったそうです。 このテストですが、偏差値の高い大学の学生ほど

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  • 東ロボくんは、なぜ失敗したのか 「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」批評1

    現在、AI関連の書籍で、「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」というが売れているようです。 著者は、AIロボを東大に合格させる「東ロボくん」というプロジェクトで有名な新井紀子教授です。 「東ロボくん」プロジェクトには、当初から興味があったので、さっそく読んでみたのですが、自然言語処理の浅い理解や、「知能=偏差値」という思い込みなど、著者の主張には首をかしげざるを得ないことが多かったので、今回から何回かにわけて、書について解説していきます。 AIが、大学の入試問題を解くとなると、数学歴史の穴埋め問題なら勝算はあると思いますが、一番苦戦するのは国語です。 なぜなら、現在の自然言語処理では、文章の意味を理解することができないからです。 英語の翻訳なら、意味を理解できなくとも、それらしい翻訳を作り出すことは不可能ではありませんが、文章の意味理解そのものを問う国語の問題があるかぎり、東大

    東ロボくんは、なぜ失敗したのか 「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」批評1
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