経済評論家として活躍している森永卓郎さん。平成15年に出版した「年収300万円時代を生き抜く経済学」などの著書で、早くから日本における格差拡大の到来を指摘してきました。平成の時代、日本経済はどう変化したのか、そして未来の日本はどうなっていくのか、話を聞きました。(聞き手:ネットワーク報道部記者 管野彰彦) やっぱり平成はですね、「転落と格差」の30年だったんだと、私は思っています。 ――転落と格差だと思われる理由はどんなところでしょうか? 特にこの20年ちょっとで顕著なんですけれども、日本の世界に対するGDPのシェア、日本経済が世界のどれだけの割合を占めているのかっていうのは、例えば1995年は18パーセントだったんです。それが直近では6%まで落ちた。つまり日本経済の世界でのシェアが20年余りで3分の1に転落したんですね。この事は裏返すと世界の普通並の経済成長をしていたら、われわれの所得は
前回、キューバ経済に見る「効率性」の考え方のちがいについて述べて、それをもたらす資本や投資の不足を指摘した。今回はその資本や投資の話を…… はじめに: モンゴルの財務諸表 開発援助がらみの仕事で、いろんなところでいろんな変なものを見てきたけど、いくつか後悔していることもある。その一つが、2000年にモンゴルで郵便局の改革案を作ったときに出てきた、社会主義会計の資料をなくしてしまったことだ。 その仕事では、モンゴルの郵便局の再建が仕事だった。モンゴルは昔は、GDPの一割にも相当する財政ミルク補給をソ連からもらっていて、しかも郵便局も扱う郵便のほとんどは、駐留ソ連兵さんたちが故国に書き送るお手紙によるものだった。それがソ連崩壊でみんな帰ってしまい、扱い量が激減し、確か五分の一くらいになったのかな。で、売上も激減して困ったモンゴル郵便は、郵便料金をいきなり十倍に上げる暴挙に出て、もちろんそれで郵
はじめに:社会主義の「いいところ?」 前回の、憲法改正の話を書いたら、はてなブックマークに「社会主義のよいところも書くべき」というコメントがついて、ぼくは少し驚いた。えーと、どんなところが「いい」と思ってるんだろうか? 強いて言うなら、格差が公式にはあまりないのはいいことかもしれない。が、あらゆる社会主義経済の常として、その低い格差は、全体を抑え込むことで実現されているものだ。配給制により、衣食住は一応だれにでも確保されることにはなっている。でも、特に住では、物件ごとにロケーションも質もちがう。いいところに住めるかどうか? それは平等ではありえない。結果として、土地利用とか変な無駄だらけ。都心国会議事堂の真向かいに、おんぼろの、ぼくたちから見ればスラムみたいな住宅があり、そしてキューバ最大の商業目抜き通りである、オビスボ通りのど真ん中に、こんな服飾の縫製工場が平気である。日本で言えば、銀座
1. はじめに 最近、キューバでのプロジェクトが始まって、いま二回目の現地調査。キューバというと、みんなゲバラにカストロ、葉巻で、ついでにブエナビスタ・ソシアルクラブで町中が音楽に満ち……というような漠然としたイメージしか持っていない。このぼくもそうだった。その一方で、アメリカの経済制裁の影響や社会主義経済の常として元気がなく、停滞しているという話も聞いていた。 ブエナ★ビスタ★ソシアル★クラブ Film Telecine Version [DVD] ライ・クーダーAmazon で、行ってみたら……うーん。何と言おうか。いや、いいところなんだよ。いろいろおもしろいのは事実。でも、どこがいいのか、と言われると口ごもる。どうだった、と言われると、次から次へと悪い点ばかりが出てくるんだけれど、でもじゃあ、そんなひどいところかと追われると、それほどでもないどころか結構楽しい。うーん。 ということで
アメリカの前FRB議長ベン・バーナンキが5月24日に日本の金融政策について語った内容が翻訳されて話題になっていた。 ベン・バーナンキ「日本の金融政策に関する考察」 – 道草 とても興味深い内容なのだが、日本語訳で1.5万字以上あるということと、専門性が高くて読み切れていないという方も多いだろうと思う。サイトに彼自身による要旨が掲載されており長さやわかりやすさの点で優れていると感じたので、簡単に訳出することにした。 Some reflections on Japanese monetary policy | Brookings Institution 翻訳(太字強調は訳者) これまで何年間にもわたって、私は日本の金融政策立案者たちがデフレ脱却の試みのなかで直面している挑戦についてたくさんのことを考え、そして書いてきた。そのなかでも早い時期に属するいくつかの書き物のなかで、私は、日銀がより強く
ベン・バーナンキ「日本の金融政策に関する考察」 – 道草で翻訳されているバーナンキ前FRB議長(以下、バーナンキ)の件で以下のような記事がでている。 diamond.jp バーナンキ前FRB議長は以下のように言っているので「金融政策」だけではだめだったと言っているわけで「金融政策」がダメだったとは言っていない。 特に、初期の文章の中では、金融政策のみで可能なことと、どれほど財政政策との連携が必要になるのか、その限界をはっきりと見定めていなかった。 (ベン・バーナンキ「日本の金融政策に関する考察」 – 道草より) 以前もクルーグマンの皮肉を見出しにした新聞記事があったけど、それと同じに見える。 next49.hatenadiary.jp バーナンキの日銀での講演の要旨の翻訳。 hirokimochizuki.hatenablog.com バーナンキ vs 日本経済新聞 政府が経済財政運営の基
sangmin.eth @ChoimiraiSchool @gijigae アリババの人工知能チームが @Stanford 大学の読解力テストで人間に始めて勝ったのが、今年の1月。スコアは、 ・人:82.304 ・AI:82.44 グーグルの《BERT》でトレーニングさせた人工知能のスコアは何と、87.433!10カ月で5ポイントも上げている。人間とマシン、読解力の差は今後更に広がる🤖。 twitter.com/GoogleAI/statu… 2018-11-03 16:51:29 Google AI @GoogleAI We have released @TensorFlow code+models for BERT, a brand new pre-training technique which is now state-of-the-art on a wide array of
僕は、このブログでAI技術以外のことは書かないことにしていますが、「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」批評2では、つい、教育に関して書いてしまいました。 新井紀子教授の主張が、あまりにも一方的で、人間のほんの一面しか捉えていないからです。 すると、ある小学校の校長先生から、感想をいただきました。 本人の許可をいただきましたので、その内容を載せさせていただきます。 新井紀子「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」についての批評を拝読しました。 新井先生の御本が教育界に与えたインパクトは相当大きなものだと感じています。 特にアクティブラーニングを推奨していた方々の反論があっても良さそうなものですが、それがないのが気がかりでした。 しかし、それ以上に気がかりなのが、読解力の定義です。RSTに示された6つのテストパターンのみで偏差値として基礎読解力が評価されていいのかという問題です。
「太郎は花子が好きだ」をコンピュータに意味理解させました 「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」批評5 「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」には、コンピュータで文の意味を理解できない例がいくつか挙げられていますので、まずは、それらを紹介します。 「私はあなたが好きだ」と「私はカレーが好きだ」との本質的な意味の違いも、数学で表現するには非常に高いハードルがあります。(p.119) 一部のAI研究者は、・・・ たとえば、「机の上にリンゴと鉛筆がある」という文に対して、実際に机の上にりんごと鉛筆がのっている画像を合成できたら、それはAIが文の意味を理解したことになると主張します。 本当にそうでしょうか? では、「太郎は花子が好きだ」はどんな画像にするのでしょう。(p.137) 「太郎は花子が好きだ」という文は、まさにその通りの意味で、何か他のものに還元することはできません。 「花子
コンピュータ(CPU)の中には、足し算回路や掛け算回路といった演算回路があって、プログラムは、最終的にこれら演算回路で処理されます。 人間の脳にも、CPUの演算回路に相当する回路があって、意味理解とは、最終的に、それらの回路で処理することに他ならないという話を前回しました。 そして、ウェイソンの4枚のカード問題から、ズル検出回路が、脳にある演算回路の一つだとわかりました。 僕の考えでは、脳の中の演算回路は、ズル検出回路以外に、「嬉しい」や、「悲しい」といった基本的な感情があると考えています。 その他に、「感謝」や「善悪」といったものが考えられ、これらを総称して「認知パターン」と呼んでいます。 そして、意味理解とは、どの認知パターンに対応するかを計算する処理だと言い換えることができます。 たとえば、 「太郎は、誕生日に、お父さんからプレゼントをもらった」 という文は、 「プレゼントをもらう」
HOME > 自然言語処理 > そもそも、コンピュータが意味を理解するとは? 「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」批評3 自然言語処理では、今まで、どのような処理が行われてきたのか。 「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」で、新井紀子教授は、以下のようにまとめています。 AIが文章を論理的に読めるようになるとしたら、まずは文がどこで区切られるか、つまり文節が理解できなければなりません。 それができたら、「何がどうした」という主語と述語の関係や修飾語と被修飾語の関係を理解しないければなりません。 これを「係り受け解析」と言います。 また、文章には「それ」「これ」といった指示代名詞が頻繁に出てきますから、指示代名詞が何を指すかも理解できなければなりません。 それを「照応解決」と言います。(p186) 東ロボくんは、これらの処理を大学の入試問題に適用して、代名詞が何を指すかといった
「東ロボくん」の目的は、AIにはどこまでできて、どうしてもできないことは何かを解明することでした。 そのためには、AIにできる能力を網羅的に調べないといけません。 新井教授は、能力を網羅的に調べるには、大学の入試問題が最適だと考えたようです。 大学で最も難しいのは東京大学です。 そこで、AIで東大合格を目指せば、AIに何ができて、何ができないか解明できると考えたようです。 こうして始まったのが「東ロボくん」プロジェクトです。 東ロボくんプロジェクトで、どうしてもAIにできなかったのが文章の意味理解でした。 そこから、 AI時代に生き残る人材とは、文章を理解できる人材だ そう結論付けました。 そこで、今度は文章の読解能力を測定するテストを開発し、子どもたちの読解能力値を測定したそうです。 すると、驚くほど、読解能力がない子どもが多かったそうです。 このテストですが、偏差値の高い大学の学生ほど
3月19日、チームスカイのオフィシャルサイトで、新スポンサーがイギリスの複合化学メーカーのイネオス社に決定したことを発表。さらに2019年5月1日から現体制を引き継いで「チームイネオス」として活動開始、5月2日のツール・ド・ヨークシャーが「チームイネオス」のお披露目レースとなることが明らかになった。 スポンサーはイギリスの大企業に引き継がれる イネオス社は1998年に創業。企業買収と合併を繰り返して巨大企業に進化し、現在では幅広い製品を手がける世界10傑に入るほどの一大化学企業となった。イネオス社事業は燃料、潤滑油、包装材、食品、建設業など多岐にわたる。現在ではグループの従業員は1万8000人を抱え、22カ国に事業を展開。年間の売上高は400億ドル(約4兆5000万円)だ。 同社CEOのジム・ラットクリフ氏は「自転車レースはとてつもない持久競技で、戦略性が高く、世界中でどんどん人気が高まっ
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