大胆な金融緩和、機動的な財政出動、成長戦略の促進の「3本の矢」を柱とするアベノミクスは経済学者の間で論争を巻き起こしている。国際的な通貨体制や経済史の研究の第一人者でカリフォルニア大バークレー校のアイケングリーン教授に、大恐慌後の通貨切り下げ競争などの歴史も踏まえた評価や日本の課題を聞いた。――アベノミクスは日本にとって妥当な解か。「本質はデフレの解消だ。考慮すべきは3点。第1にデフレが日本
Mostly Economicsが紹介している1999年の論文「The Keynesian Revolution and the Nominal Revolution: Was There a Paradigm Shift in Economic Policy in the 1930s?」で、アイケングリーンがサムナーと見紛うような主張を展開している。 Monetary policy, not fiscal policy, was the force behind recovery from the Depression. Whether central banks cut interest rates and stabilized the supply of money and credit was the single most important determinant of the
7月に決めたばかりの救済案が崩壊の危機に瀕し、デフォルトのリスクに直面するギリシャ。欧州のリーダーが取り組むべきは、危機脱却のための課題に優先順位をつけることだ。銀行の資本増強など喫緊の課題解決を優先すべきで、それらを長期的課題と混合してはならない。 カリフォルニア大学バークレー校教授のバリー・アイケングリーン氏が緊急提言する。 欧州がまたもや窮地に陥っている。わずか6週間ほど前に成立したばかりの新たなギリシャ救済案が崩壊の危機に瀕している。信認の危機がユーロ圏主要国の一部にまで飛び火し、ユーロの存続、ひいては欧州連合(EU)の存続が重大な岐路に立たされている。 残された時間は少ない 欧州の指導者たちは信認回復に向けて様々な提言を行っている。例えばジャン・クロード・トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁は、予算についてもっと厳格な規律を導入することを提唱。現イタリア中央銀行総裁で、(11月1日
以下は、Barry Eichengreen, “The Great Recession and the Great Depression: Reflections and Lessons(pdf)”(Central Bank of Chile Working Papers No.543, September 2010)の部分訳(論文ページpp.1~pp.4の訳。pp.5以降で論じられている今後の国際貿易・金融システムの見通しに関する箇所は省略)。 これまでしばしば、2008年以降の世界的な同時不況-いわゆる大停滞(The Great Recession)-と1929年に世界経済を襲った経済不況-いわゆる大不況(the Great Depression)-との比較が行われてきた。本論文では、現在の大停滞下における政策当局の反応が1920年代~1930年代の政策当局の反応とどれだけ大きく異なる
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