個人防護具(PPE)はリスクに応じ“軽装”でもいい-。医療従事者の新型コロナウイルス患者対応を巡り、静岡市立静岡病院(葵区)が実践に基づく問題提起を始めた。PPEのフル装備の着脱は負担が大きい一方、多くの医療機関で是非が議論されていない。医療従事者が心身共に消耗する一因とされる。PPEの適正な理解を広げ、患者の受け皿を増やす狙いもある。 「医療機関が自ら苦しい状況をつくっているのではないか」 4月28日夜の静岡病院。感染管理室長の岩井一也医師は県内30の病院がオンライン参加した勉強会で強調した。 岩井医師によると、コロナ患者と接触がない簡単な診療や点滴の確認、モニターチェックの場合でもフル装備を続ける病院が少なくない。フル装備はつなぎのスーツやフェースシールド、足カバー、ゴーグルなどを着込み、人の助けも必要。患者のいる「レッドゾーン」を行き来するたびに着脱を繰り返し、暑い夏場は体力の疲弊が