ブックマーク / oikawamaru.hatenablog.com (3)

  • 放流の問題 - オイカワ丸の湿地帯中毒

    これまで日では主に水産の分野において種苗放流というものがなされてきました。しかし放流に伴って意図しない外来種や病原菌がばら撒かれて、色々な問題が生じているのはよく知られているところです。前者では例えば琵琶湖原産のハスや北米原産のミズワタクチビルケイソウ、後者では例えば冷水病やコイヘルペスウイルスなどが挙げられます。しかしそれでも、水産業を持続的に行う上で、水産有用種の放流は意味があるとされて続いてきました。 ところが近年になって、こうした放流はほとんど意味がない、あるいはむしろ目的の水産有用種を減らす、さらにはその他の多様な生物をも減らし生物多様性に大きな悪影響を与えるのではないかという研究が出てきています。ということで、先日に関連する興味深い論文が出ていました。 Terui, A., Urabe, H., Senzaki, M., Nishizawa, B. (2023) Intent

    放流の問題 - オイカワ丸の湿地帯中毒
    prna79
    prna79 2023/02/14
    “遊漁についても、何らかの新しい方針を、国として示していくべきでしょう。生物多様性を失いつつあることで各地の水産業やそれに伴う経済、文化は危機的状況に陥っています。今一度、多くの人に考えて欲しい”
  • 日記 - オイカワ丸の湿地帯中毒

    浚渫、というのは河川管理上必須のものです。川というのは上から土砂が流れてきて堆積します。そうすると、川があふれやすくなります。特に住宅地や都市近郊では川があふれるのは非常に問題なので、定期的に浚渫をする必要があります。一方で、近代的な浚渫は河底の土砂を重機を使ってごっそりとっていくので、底生動物、特に動きが遅い二枚貝類やドジョウ類、あるいは一部の水草などに多大な悪影響を及ぼします。おそらく、一度の浚渫で絶滅したという事例は、かつて国内の各所であったのではないでしょうか。 ということで河川における保全対策で悩ましいのが、浚渫事業と生物多様性保全の両立です。基的な考えとして、浚渫事業は流下断面を確保するために行われます。つまり必要な面積の流下断面が確保できれば、その形状は何でもよいということになります。という基を押さえた上で、ここでは生物に配慮した浚渫例を2つ紹介したいと思います。 1つめ

    日記 - オイカワ丸の湿地帯中毒
    prna79
    prna79 2021/02/15
    “もっとも重要なのは、浚渫効果と生物多様性保全をいかに両立させるか、という視点です。浚渫をしないという選択肢はとれません。であるならば、むしろ浚渫を利用して生物を増やすことを考える必要があります。”
  • 侵略的外来種としてのコイ - オイカワ丸の湿地帯中毒

    最近福岡県内のとある川において、「きれいな川を取り戻すべく、環境教育として子供にコイを放流させた」、というような新聞記事をみかけました。このように自然河川へのコイ放流を子供にさせて川を保全する心を教えたい、という「環境教育」は時折目にしますが、これには問題があります。 そもそも、飼育品種の外来系統のコイは純然たる外来生物であり、加えて外来系統のコイが生態系に大きな悪影響を与える研究例は複数報告されています。すなわち外来系統のコイは侵略的な外来種という位置づけになります。 コイは日にも在来の集団がいましたが、最近の研究では在来ゴイはほぼ琵琶湖にしか残っておらず、国内他地域でみられるほぼすべてのコイが中国大陸やヨーロッパのコイの遺伝的特徴をもった改良品種のコイ(いわゆるヤマトゴイやニシキゴイ)の系統、すなわち外来系統であることが明らかになっています。この改良品種のコイは養殖がしやすいため、一

    侵略的外来種としてのコイ - オイカワ丸の湿地帯中毒
    prna79
    prna79 2020/08/29
    “そもそも、飼育品種の外来系統のコイは純然たる外来生物であり…生態系に大きな悪影響を与える研究例は複数報告されています。すなわち外来系統のコイは侵略的な外来生物という位置づけになります。”
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