これまで日本では主に水産の分野において種苗放流というものがなされてきました。しかし放流に伴って意図しない外来種や病原菌がばら撒かれて、色々な問題が生じているのはよく知られているところです。前者では例えば琵琶湖原産のハスや北米原産のミズワタクチビルケイソウ、後者では例えば冷水病やコイヘルペスウイルスなどが挙げられます。しかしそれでも、水産業を持続的に行う上で、水産有用種の放流は意味があるとされて続いてきました。 ところが近年になって、こうした放流はほとんど意味がない、あるいはむしろ目的の水産有用種を減らす、さらにはその他の多様な生物をも減らし生物多様性に大きな悪影響を与えるのではないかという研究が出てきています。ということで、先日に関連する興味深い論文が出ていました。 Terui, A., Urabe, H., Senzaki, M., Nishizawa, B. (2023) Intent