「gettyimages」より 60代女性が焼身自殺を図ったワケ 今年7月23日、韓国・ソウル市で60代の女性が焼身自殺を図る事件があった。場所は、江南区の19階建てビル。女性はガソリンとライターを持って屋上まで侵入した後、通報で駆けつけた警官に取り押さえられた。 このビルには、宅配フライドチキンチェーンのフランチャイズ本社が入居している。女性は2016年から、夫とともにその加盟店を営んでいた。ところが昨年5~8月、夫婦が相次いで配達中の事故で負傷。そこで快復するまでチキン店の休業を本部に願い出たところ、廃業するよう通告されたという。女性は抗議したが聞き入れられず、究極の手段に打って出たわけだ。 便利な間食やおつまみとして、韓国でますます人気が高まっている宅配チキン――。だがこの事件が示唆するように、背景には根の深い韓国社会の歪みが横たわっている。 チキン店の市場規模は約5兆ウォン 韓国の