2009年に耳かき店員江尻美保さん=当時(21)=と祖母鈴木芳江さん=同(78)=を殺害した殺人罪などで無期懲役が確定した林貢二受刑者(43)に対し、鈴木さんの長男(58)が鈴木さん殺害についての損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁の阿閉正則裁判官は22日、請求通り約2150万円の支払いを命じた。 江尻さんの両親は刑事裁判の中で手続きができる「損害賠償命令制度」を申し立て、林受刑者への計1億円余の支払い命令が昨年11月に確定。鈴木さんの長男は「被害弁償を受けると刑が減軽される」と制度を利用せず今年9月に提訴したが、林受刑者は「財産がなく、出廷と答弁書の作成は不可能」としていた。 確定判決によると、江尻さんに来店を拒まれ絶望した林受刑者は09年8月、東京都港区の江尻さん宅に侵入。鈴木さんの首をナイフで刺すなどして殺害、江尻さんの首も刺し翌月に死亡させた。