【モスクワ=田村雄】ロシアのプーチン大統領は、治安組織を再編し、テロ対策や治安維持を担う大統領直属の「国家親衛隊」を組織することを決定し、今年9月に行われるロシア下院選をにらんで統制を強化するとの懸念が野党勢力などの間で広がっている。 国家親衛隊の創設は、プーチン大統領が5日に表明し、大統領令に署名した。内務省の軍、特殊部隊や機動隊などの治安部隊を統合し、大統領直属の組織とする。隊長は閣僚級で、大統領が直接、命令を下せる権限を持つことになる。35万~40万人規模になるとみられる。 プーチン氏は治安組織の再編について、「テロと組織犯罪などの対策のためだ」と表明。一方でペスコフ大統領報道官は5日、不許可のデモ鎮圧も同隊の任務になると明らかにした。