尖閣奪取の「具体的シナリオ」 コロナ禍の最中、東シナ海の尖閣諸島周辺海域で異常事態が発生している。中国の政府船が8月4日まで、111日にわたって連続で、日本の領海やその外側の接続海域に侵入した。連続記録は一時途切れたが、その後も中国船は同海域への侵入を繰り返している。こうした事態は2012年の日本政府による尖閣諸島国有化以来、初めてのことだ。いったい何が目的なのか。 「今回、中国は本気で尖閣を分捕るつもりなのではないか」 中国の動向を注視してきた防衛関係者は、そう語る。にわかには信じがたい話だが、実は米国ではそういった事態を想定したレポートがすでに発表されているのだともいう。防衛関係者が続けた。 「ワシントンにあるシンクタンクで、米国の防衛戦略に大きな影響力を持つ『戦略予算評価センター(CSBA)』が今年5月に『Dragon Against the Sun: Chinese Views o