一難去って、また一難。この夏、拡散するバブルの影があちこちに忍び寄っている。不動産や株式など、伝統的な金融資産に投じられる資金は(政府の引き締めで)減少している。だが、世間はカネであふれている。行き場を失った巨額のマネーが、農産物、宝石、ワイン、映画など、これまで“消費財”と見なされていた商品に大量に流れ込んでいるのだ。こうした新たな投資対象を総称し、「泛資産(浮ついた資産)」なる新語も生まれている。 例えば農産物。ニンニク、緑豆、ショウガ、豚肉、鶏卵、ナス、ニガウリ、シイタケ――。最近、価格がにわかに急騰する農産物が増えている。 ニンニクの場合、7月1日の北京新発地市場*の卸売価格は1キログラム当たり7.3元(約95円)だった。ところが、7月20日の価格は同10.9元(約142円)に跳ね上がった。7月だけで、ニンニクの卸売価格の全国平均は24.8%上昇し、山西省では50%も上がった。 *