タグ

2019年9月15日のブックマーク (9件)

  • 押井守の あの映画のアレ、なんだっけ?(第9回)新海誠監督の作品について、どう見ていますか?

    ── 今回のお題は話題のアニメ監督・新海誠についてです。『君の名は。』(16)は興収250億円を弾き出し、それに続く新作『天気の子』(19)はいま現在100億円を突破しています。押井さんはこの2、ご覧になっているんですか? 押井 観てないよ。新海誠で観ているのは、宇宙で少女がロボットと戦い、地球で少年が彼女を待っているという作品。確かこれが『ほしのこえ』(02)じゃないかな? 彼の劇場デビュー作じゃない? いつものように全編を観ているわけじゃないけど、一応SFなのでトライした。 ところで、ひとつ言っておきたいんだけど、多くの人がアニメ監督はアニメを観ていると思い込んでいるようだけど、そんなことまったくありません。私がすべて観ているのはジブリ作品だけ。これも(『誰も語らなかったジブリを語ろう』)を出したから観ただけで、それまでちゃんと観ていたわけじゃない。『エヴァンゲリオン』も劇場版は最

    押井守の あの映画のアレ、なんだっけ?(第9回)新海誠監督の作品について、どう見ていますか?
  • 押井守の あの映画のアレ、なんだっけ?(第8回)アニメーター黄瀬和哉さんと押井さんとの作品がまた観たいんですが!

    Q. アニメーターの黄瀬和哉さんの画がとても魅力的です。ぜひ、押井監督×キャラデザイン&作画監督・黄瀬さんでオリジナル映画を作って頂きたいです。 Q. 『BLOOD THE LAST VAMPIRE』のアニメ版か実写版を押井監督に作ってほしいです。石川社長、OK出してくれないんでしょうか? ── 今回はふたつの質問です。ひとつは、アニメーターの黄瀬和哉(きせ・かずちか)さんについてです。黄瀬さんは、押井さん主宰の押井塾から生まれた『BLOOD THE LAST VAMPIRE』で作画監督を担当していたこともあるので、『BLOOD…』についてもお願いしたいと思います。 押井 黄瀬の画が魅力的なのは言うまでもありません。今までつきあった作画監督の中で最も華があり、艶があり、色気がある。もう最高のアニメーターです。黄瀬の真似は誰にもできない。彼はいい意味でいい加減、予測不可能。つまり天才です。

    押井守の あの映画のアレ、なんだっけ?(第8回)アニメーター黄瀬和哉さんと押井さんとの作品がまた観たいんですが!
  • 押井守の あの映画のアレ、なんだっけ?(第7回)タランティーノが“監督引退”を表明していますが、それについてどう思いますか?

    Q. クエンティン・タランティーノがあと2作で監督を引退すると発表し、その最後から2番目の映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が公開されます。押井さんは、そういう監督の“引退宣言”についてはどういうお考えをお持ちですか? ── 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は日でも8月30日に公開されます。60年代後期のハリウッドを舞台にして、当時の空気や風俗を再現している。基礎知識があるととても面白い映画です。タランティーノは作を最後から2番目の映画にしているらしいですが、これが最後になるのでは?なんていうウワサもありますね。 押井 おそらくタランティーノは“映画監督”というポジションを満喫しちゃったんじゃない? 彼の映画は基、彼の好きな映画のツギハギ。ただその名人なのでツギハギの居心地の悪さはまるでない。そうやって映画を作ってきた人だから、10でもういいやと思

    押井守の あの映画のアレ、なんだっけ?(第7回)タランティーノが“監督引退”を表明していますが、それについてどう思いますか?
  • 押井守の あの映画のアレ、なんだっけ?(第6回)スタッフに自分の意図を伝えるコツってあるんですか?

    Q. 押井さんはスタッフや関係者に、自分の作品意図を伝えるのがとても上手いと聞いています。ぜひそのコツを教えてください! ── 今回は、会社の仕事でも役立ちそうな質問ですね。押井さん、ご自身もその辺に長けていると思っているんでしょうか。 押井 上手いほうなんじゃない? みなさん、私の言葉には積極的に耳を傾けてくれるからね。私のスタッフが共通して言うのは、「監督、何を言っているのか分からない」。声が小さくボソボソ喋って、しかも早口。だから何を言っているのか分からない。みんな身を乗り出して聞いてくれる(笑)。 ── それ、目に浮かびますね。押井さんの声や喋り方はインタビュアー泣かせ。私たちも確かに、聞き取ろうと一生懸命集中してますよ。 押井 でしょ?(笑) 誰かを説得するとき、「さあ、説得するぞ!」という姿勢だと、人は身を退いてしまう。これは当たり前。だから私は、彼らが「理解したい」と思うよう

    押井守の あの映画のアレ、なんだっけ?(第6回)スタッフに自分の意図を伝えるコツってあるんですか?
  • 押井守の あの映画のアレ、なんだっけ?(第5回)『ダンサー・イン・ザ・ダーク』が好き、ってそんなにおかしいですか?

    押井 新作はもちろん観てないし、その『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(00)も観てない。でも、トリアーは大好きな監督のひとりですよ。『ダンサー・イン・ザ・ダーク』を観てないのはミュージカルで主演がビョークだから。僕にとってこれは二重苦なので敬遠しちゃった。この質問者が一番に挙げているくらいだから、かなり面白いんだ? ── 面白いですよ。トリアーらしいヘンなミュージカルです。ミュージカルシーンは基、ヒロインのビョークの幻想という設定。現実世界のカメラは手持ちなので動き回る。反対に、幻想ミュージカルシーンのカメラはとても鮮明でフィックス。カットの切り替えしで構成しているという懲り方。カメラが印象的な映画でした。

    押井守の あの映画のアレ、なんだっけ?(第5回)『ダンサー・イン・ザ・ダーク』が好き、ってそんなにおかしいですか?
  • 押井守の あの映画のアレ、なんだっけ?(第4回)iPhoneで映画を撮る、ってどう思います?

    Q. スティーヴン・ソダーバーグやショーン・ベイカーのように、iPhoneだけで撮影して編集し、1映画を作る監督が出てきました。そういう映画の作り方を押井監督はどう思いますか? ── ソダーバーグの作品は、日ではビデオスルーになった『アンセイン~狂気の真実~』(18)というサイコスリラーです。彼はこれをiPhone7Plusで撮影したそうです。 押井 観てない。ショーン・ベイカーという監督は知らないんだけど……。 ── 彼は最近、『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』(17)という映画が高く評価されていて、ウィレム・デフォーがアカデミー助演男優賞にノミネートされていましたね。彼がiPhoneで撮ったというのはその前の『タンジェリン』(15)というトランスジェンダーの売春婦たちを描いた映画です。何でもアナモレンズ(アナモルフィックレンズ)を付けた3台のiPhone5sで撮影したそうです

    押井守の あの映画のアレ、なんだっけ?(第4回)iPhoneで映画を撮る、ってどう思います?
  • 押井守の あの映画のアレ、なんだっけ?(第3回)クリエーターとして、視聴者として、“配信”に思うこと

    Q. Netflixの『ROMA/ローマ』がアカデミー賞を賑わせたりして、何かと配信が注目されています。押井さんは作り手として、あるいは視聴者として配信についてはどう考えていらっしゃいますか。 ─── 今回の質問は配信についてです。今年のアカデミー賞でも『ROMA/ローマ』が注目されましたが、その後、スティーヴン・スピルバーグがNetflixをアカデミー協会から締め出そうとして、再び注目を浴びました。 押井 クリエーターからすると配信はちょっとビミョーなんだよね。なぜなら、観客の声が届いてこないから。リアクションが聞こえてこない。他の国の事情は知らないけれど、日ではそう感じているクリエーターが僕を含めてたくさんいる。 ─── それはちょっと意外です。配信は普通ネットだから、すぐにSNSとかで噂になると思ってました。 押井 映画の場合、公開したらすぐに数字が出るじゃない? 初日で何人動員し

    押井守の あの映画のアレ、なんだっけ?(第3回)クリエーターとして、視聴者として、“配信”に思うこと
  • 押井守の あの映画のアレ、なんだっけ?(第2回)最近ダントツで好きな女優は、腕立てしていたアノ人……

    ─── 連載の2回目は女優についてです。押井さんと言えばオカッパでありおばさんです。 まあ、そうですね。オカッパとおばさんなので、オカッパでおばさんなら文句ナシ。でも、最近はオカッパの女優でかっこいい人を見たことがない。最後にいいなーと思ったのは『トロン:レガシー』(10)に出てた女優さん。誰だっけ? ─── オリヴィア・ワイルドです。あのときは黒いキャットスーツにシャープなボブカットでした。 そうそう。キャットスーツも好きだからよりいい印象的なんだと思う。彼女のオカッパは前髪がパッツンで、両サイドの前が長い。これが僕のもっとも好きなオカッパスタイル。理想的ですよ。この映画は彼女しか覚えてないくらい(笑)。 ─── 日の女優さんはどうなんですか? 広瀬すずとかもオカッパですよ。 名前は聞いたことがある程度で、よく分からない。日で言うと、太田莉菜のカーシャ(『THE NEXT GENER

    押井守の あの映画のアレ、なんだっけ?(第2回)最近ダントツで好きな女優は、腕立てしていたアノ人……
  • 押井守の あの映画のアレ、なんだっけ?(第1回)『卒業』みたいな“コーチ映画”っていいよね

    Q. 随分昔に観た映画なんですが、ティーンエイジャーの男女が恋に落ち、人里離れた所でふたりだけで暮らし、子供を出産し、ふたりで育てるという内容で、風景がとてもきれいだったんです。この映画のタイトル、分かったら教えてください! ─── この連載では映画にまつわるさまざまな疑問について、押井さんにお答えいただくわけですが、連載第1回目は、押井さんの著書『映画の神は細部に宿る』を読んでくださったファンの方からの質問です。 この手の映画は、それこそゴマンとあるよね。松山善三の『名もなく貧しく美しく』だって聾唖の夫婦がひっそりと暮らしている。でも、まあ「風景がとてもきれい」とあるからまず違うだろうし……そうだな……『フレンズ』じゃないの? ティーンエイジャーが駆け落ちしてふたりで暮らし子供をもうけていたから。 ─── 71年の英国映画『フレンズ~ポールとミシェル~』ですね。アニセー・アルビナが出てい

    押井守の あの映画のアレ、なんだっけ?(第1回)『卒業』みたいな“コーチ映画”っていいよね