── 今回は吹替えについてです。確かに洋画の大作は必ずと言っていいくらい吹替え版があり、そちらの方が成績が良い場合もあると聞いたことがあります。中には人気のタレントを声優に起用して注目させようとする洋画や宣伝もありますからね。 押井 私はやっぱり字幕派です。耳がよくないし、諸般の理由でボリュームを上げられないから字幕の方がいい。まず言葉が目に飛び込んでくるのがラク。字幕を邪魔という人がいるとも聞くけど、それはちょっと信じられない。 ── 60年代くらいまでのディズニーアニメーションはすべて吹替えでした。理由はアニメーションの“画”はアートだから、そこに何かをプラスするのはダメという考え方だったと聞いています。それはまあ、納得なんですけど。 押井 私はディズニーアニメがアートだなんて思ったことは一度もありません。その時代のアニメーションはディズニーと東映動画(現在の東映アニメーション)しかな
Q. 押井監督の女性観を教えてください。たとえば宮崎監督はロリコンっぽかったり、庵野監督の作品からは彼の性体験が透けて見えたりしますが、押井作品にはそれが薄くよく分からないからです。よろしくお願いします! ── 今回は押井さんの女性観についてです。 押井 女性観ですか……。50歳くらいのときに大きく変わったんですよ。それまでは「人間には男と女の2種類がいる」と思っていたんだけど、それが間違いだと50歳くらいのときに気づいた。「男と女という2種類の人類がある」というのが正しい。人間に種類があるのではなく、もともと別の生き物だったということに気づいたんです。 高校生の頃に読んだSF小説に、女性は実は宇宙人だというのがあって、当時は別に気も留めなかったけど、今は分かります。 ── そう考えるようになったきっかけはあったんですか? 質問はこちらのフォームからお寄せください! ※続きはアプリでお読み
Q. 『ジョーカー』は今年のアカデミー賞でもたくさんノミネートされている話題作です。押井さんはご覧になりましたか? 僕は二度観たのですが、なんというか打ちのめされてしまいました。押井さんの感想をお聞きしたいです。 ── 今回のお題は『ジョーカー』です。先頃発表されたアカデミー賞で作品賞や監督賞など最多の11部門にノミネートされ、その主人公を演じたホアキン・フェニックスが主演男優賞を獲得したばかりです。 押井 そうなの? おそらく上手い役者なんだろうけど、私はやりすぎだと思ったけどね。役者バカと言われる俳優にありがちな暴走演技ですよ。彼のジョーカーより、ダンゼン『ダークナイト』(08)のジョーカーの方が良かった。なんといっても知性がある。彼がバットマンに言っているのは「お前もオレと同じなんだ。いつか世間に酷い目に遭わされるぞ」ってことだけ。それはまったくもって正しいんです。まさに純化された悪
Q. 年末に『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』を観ました。賛否両論あるようですが、僕は大変楽しめました。そこで、押井さんが『スター・ウォーズ』について語っているのをあまり聞いたことがないことに気づき、こんな質問をしてみたくなりました。押井さん、ズバリ『スター・ウォーズ』はお好きなんですか!? ── 今回の質問は『スター・ウォーズ』(以下『SW』)についてです。確かに押井さんから『SW』のタイトルを聞いたことがないかもしれません。 押井 あんまり話してないのは、好きじゃないからですよ(笑)。観てないことはなくて、昔は年末年始には必ず、BSやCSでオンエアしていたから観ていたんだけど、そう言われれば最近はやってないなあ──まあ、そういうわけなので、私にとっても『SW』はお正月映画です。 ── もちろん『スカイウォーカーの夜明け』は観てませんよね? 押井 うん。でも、他のは観てる。ス
Q. もうすぐ2020年がやってきます。この時期、気になるのは2019年のベストです。押井さんの映画ベスト3を教えてください! ── これは去年のうちにいただいていたもので、私も気になる質問なんですが、問題は押井さんがベスト3を選べるほど映画を観ているか、ですよね? 押井 でも、2019年は私にしては結構、劇場で映画を観たよ。4、5本は観たんじゃない? シルバー料金で観られるようになったこととか、シネコンのシステムにやっとこさ慣れてきたとか、そういう要因もあって我ながら観ている。 最近は(ジェームズ・)キャメロンが久々に参加した『ターミネーター』(『ターミネーター:ニュー・フェイト』)かな。悪くはなかったけど、ベスト3に入れるほどでもない。 ── 「悪くはなかった」くらいですか? 私はワーストに入れちゃいましたけど(笑)。 押井 そうなの? 私の期待には応えてくれてたよ。私はリンダ・ハミル
Q. 『ゲーム・オブ・スローンズ』のDVD&ブルーレイのコンプリートボックスが12月4日に発売になります。僕はどうしようか迷っているんですが、押井さん、買いますか!? ※本記事では、本シリーズ全話を観ていることを前提に、ネタばれをまったく気にせずにトークしておりますので、未見の方はご注意ください! ── 今回は『ゲーム・オブ・スローンズ』(以下『GOT』)についてです。全章・全話収録したボックスセットを自腹でも買うのかという何ともダイレクトな質問。ちなみに12月4日に発売で、DVDは3万5000円くらい、ブルーレイは4万3000円くらいのようですね。 押井 いただけたら買いませんが、いただけないなら買います。Macのパソコンでも再生できるDVDですね。 私にとって『GOT』はとても大きい存在。自分の仕事を考える上でも重要だし、ファンタジーとしてダントツでしょう。 ── ピーター・ジャクソン
Q. マーティン・スコセッシがマーベルコミックの映画MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の作品に対して「映画ではない。テーマパークだ」と発言し物議を醸しています。しかもこれは映画を観ていない上での発言。押井さんも5分しか観ずにその映画を語りますが、スコセッシのこの言葉に共鳴しますか? ── このスコセッシの言葉は日本でも話題になりました。スコセッシの発言をよく読むと「観ようとトライしたが観られなかった」みたいです。 押井 私は3カットくらいは観る。宮さん(宮崎駿)はもっと凄くて、スチル写真だけ見れば分かると豪語してますから(笑)。 ── 宮崎さん、マーベル映画とか、観たことなさそうですね。 押井 観たことないどころか、マーベルの存在すら知らないんじゃない? 反米主義の宮さんにとって、キャプテンアメリカなんてありえない(笑)。でも、DCは知っている。スーパーマンとかバットマンとかは
Q. あの『シン・ゴジラ』コンビ、庵野秀明×樋口真嗣で『ウルトラマン』の劇場映画を作ることになりました。押井監督はこの座組をどう思いますか? ── 今回は、先頃発表された『シン・ウルトラマン』についてです。再び庵野監督と樋口監督の組み合わせで、2021年公開を目指して作ることになりました。 押井 まあ、庵野にとってはやっと本命に辿り着いた、になるだろうね。彼は究極の“ウルトラマンおたく”で、自主映画時代からずっと作っていた。 ── 樋口さんは? 押井 シンちゃんはゴジラです。 ── ということは『シン・ゴジラ』(16)は樋口さんの管轄で、今回は庵野さんの管轄になるんですね。 押井 簡単に言っちゃうとね。
── 今回のお題は話題のアニメ監督・新海誠についてです。『君の名は。』(16)は興収250億円を弾き出し、それに続く新作『天気の子』(19)はいま現在100億円を突破しています。押井さんはこの2本、ご覧になっているんですか? 押井 観てないよ。新海誠で観ているのは、宇宙で少女がロボットと戦い、地球で少年が彼女を待っているという作品。確かこれが『ほしのこえ』(02)じゃないかな? 彼の劇場デビュー作じゃない? いつものように全編を観ているわけじゃないけど、一応SFなのでトライした。 ところで、ひとつ言っておきたいんだけど、多くの人がアニメ監督はアニメを観ていると思い込んでいるようだけど、そんなことまったくありません。私がすべて観ているのはジブリ作品だけ。これも本(『誰も語らなかったジブリを語ろう』)を出したから観ただけで、それまでちゃんと観ていたわけじゃない。『エヴァンゲリオン』も劇場版は最
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