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「海外事情」に寄稿した文章です。許可を得てこちらに転載します(初稿)。書いたのは昨年12月なのでデータはやや古くなりましたが、「総括」なので、内容は特に問題ないと思います。御覧ください。 緒言 日本の新型コロナ対策を「総括」、すなわち総合的なパースペクティブからまとめようとしたものが過去に2つ存在する。一つは、書籍になった「新型コロナ対応/民間臨時調査会 調査・検証報告書」[1]であり、もう一つは、政府が招聘した新型コロナウイルス感染対応に関する有識者会議が出した「新型コロナウイルス感染症へのこれまでの取組を踏まえた次の感染症危機に向けた中長期的な課題について」[2]である。 しかし、前者はどちらかというと「証言集」に近く、やや厳しい言い方をすれば、「個人の感想」集であり、属人的なものだった。データ解析、ファクトの解析には乏しかった。後者については政府に依頼されて役人が突貫工事でまとめたも
簡易検査はするべきではない? 北秋田市の病院でインフルエンザの集団感染があった。簡易検査では陰性だったが死亡した患者もいたと報道された*1。インフルエンザ迅速診断キットの感度は高くない、つまり、インフルエンザに感染していても検査結果で陰性と出やすいことはよく知られている。あらゆる検査と同様に、インフルエンザの簡易検査は感度・特異度を理解の上に使うべきである*2。当たり前の話。しかし、まれに、インフルエンザの患者に対して、簡易検査をするべきではない、簡易検査をする意味は何もないと誤解している人もいる。 ■Open ブログ: ◆ 簡易検査による死者増加*3 要するに、簡易検査をする意味は、何もない。 ・ 検査で陽性ならば → 抗インフルエンザ薬の投与 ・ 検査で陰性ならば → 抗インフルエンザ薬の投与 (様子見、は間違い。) つまり、どっちみち、「抗インフルエンザ薬の投与」である。投与するか否
やはり関心は高いようで満員で立ち見になる方もたくさんおられました。内容的には収穫が乏しく、主に10/1(だったかな)に行なわれた都道府県担当者会議の要約程度でした。ちなみに説明に立たれたのは神戸市予防衛生課長です。 ロクにメモも取っていないので怪しい部分はありますが、とりあえず接種要領の「案」は10/14に正式承認されたとの事です。気になったのは「どこで」正式承認されたかですが、これが良くわかりませんでした。10/1に新型インフルエンザ対策会議が行なわれ、接種が10/19から開始されるのが正式決定されたのは知っていますが、やはり接種要領も対策会議で承認されたと考えるべきでしょうか。 対策会議で承認されたと仮定すると、10/1に鳩山内閣で1回目の会議が行なわれ、2回目が10/15の可能性も考えます。秋の臨時国会を目前に控えて総理も厚労大臣も超多忙ですから、それぐらいしか時間が取れなかっても不
■季節性ワクチン打ったらヤブヘビ?(新型インフルエンザ)(新型インフルエンザ・ウォッチング日記)経由で、「季節性インフルエンザのワクチン接種が新型インフルエンザ(H1N1)のリスクを増やすかもしれない」という話を知った。ソースは、CBCニュースの■Seasonal flu shot may increase H1N1 risk。根拠は、過去に季節性インフルエンザワクチンを受けたことのある人がより多く新型インフルエンザに罹ったという、予備的な疫学調査である。交差免疫があるので、季節性インフルエンザワクチンでも、新型インフルエンザにもほんのちょっぴりとぐらいは防御効果があってもいいのではないかと、うすらぼんやりと私は思っていたので意外であった。 似たような病原体にもある程度有効なのが交差免疫 はしかやおたふく風邪は、基本的には一度かかると二度目は罹らない。一方、インフルエンザは運が悪ければ毎年
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