1年目でいきなり打率3割2分7厘をマーク。イチローを彷彿とさせる振り子打法で人気を集めた坪井が8月15日、自身のブログで引退を表明した 【写真=BBM】 野球への情熱は、あのイチロー(ヤンキース)も一目置くほどだった。愚直なまでに野球道を歩んだプロ生活。阪神、日本ハムなどで活躍した坪井智哉。その情熱は海をも越えたが、2014年夏、ついにユニホームを脱ぐ決断を下した。全力でバットを振り続けた男の野球人生を振り返る。 涙は見せなかった。「素晴らしい、最高の野球人生でした。後悔もありません」という言葉にもウソはないだろう。ただ、その野球人生は紆余(うよ)曲折、最後は壮絶ともいえる環境と闘い、ユニホームを脱いだ。 8月18日、神戸市内のホテルで坪井智哉の引退会見が行われた。PL学園高―青山学院大―東芝と野球界のエリートコースを歩み、1997年ドラフト4位で阪神に入団。独特の振り子打法で1年目から首