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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/f-ryota (3)

  • 『最果てのイマ』試論(1) - 仮想算術の世界

    ずっとやりそびれていた『最果てのイマ』(Xuse)をようやくクリア。前々回のエントリーでは傑作と書きましたが、これはなんというか、「怪作」。 …というわけで、いくつか考察サイトを回ってみると、細かいつじつまをきちんと読み解いているサイトがけっこうあって驚く。正直いって、この作品の複雑に入り組んだ構造をぜんぶ脈絡をつけて理解できたわけではなかったので、確かにいろいろ参考にはなった。とはいえ質的な問題は、つじつまがあうか否かというよりも、作品全体が語りかけてくる「何か」なのであって、もちろん細かい詮索もあっていいが、それだけでは大樹を見失うおそれがある。確かに「謎解き」の欲望をかきたてる作品だし、あるいはよく言われるように田中ロミオ氏の文体も一級品だが、そこだけ見てわかった気になるのはつまらない。 もっともこの作品の真価は、ある意味では、「大樹」以上にむしろいわば「枝葉」の部分、つまりふ

  • レヴィ=ストロース氏死去 - 仮想算術の世界

    レヴィ=ストロース氏が亡くなられたとのこと、もうほとんど歴史上の人物と言っていいかと思いますが、それでもやはりショックでした。 僕は、ネットやサブカルチャーの分析にレヴィ=ストロースの神話論が適用できるのではないかというアイディアの下、『ユリイカ』で連載をしていたのですが、単行ではあまりレヴィ=ストロースへの言及は入れていません。ノルベルト・ボルツとかグレゴリー・ベイトソンといったあたりのシステム論系の論者の議論を使ったほうが、文化分析としてはうまく行くという気がしたからです。というか、フランス系の文学性を捨てて、生態学&神話論で行くほうがチャレンジしがいがあるのではないかと思った…というほうが正確かもしれませんが。 とはいえ、別にレヴィ=ストロースの議論が現代的にダメということではない。たとえば、レヴィ=ストロースの「神話素」という概念は、アレグザンダー的に言えばセミ・ラティスと同

  • 4Gamer.netのラブプラス論 - 仮想算術の世界

    ラブプラスは、僕は友人に借りて2時間くらいしかやってないのでちゃんとしたことは言えないんですが、この記事はとても面白くて俄然興味が出てきました(笑)。いろんなことが書かれてますが、大まかに言えば、ラブプラスが『雫』以前の純然たるコミュニケーション志向メディア(コミュニケーションゲーム)に回帰しており、そのことによってキャラクターが属性メインの個性的な存在から、初音ミクのように「細かい性格付けや設定は、すべてユーザー側に委ねてしまおう」とする「無個性キャラクター」になっているという話。読み応えがあります。 実際、キャラクターの見た目の造形の奇抜さということで言っても、たぶん90年代後半くらいが一番過激で、最近はますます保守化=無個性化しているような感じがする。でもそれは、TAITAIさんの図式を借りて言えば、コミュニケーションの優位がキャラクターの質を変えた結果であって、キャラクターの特定

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