ずっとやりそびれていた『最果てのイマ』(Xuse)をようやくクリア。前々回のエントリーでは傑作と書きましたが、これはなんというか、「怪作」。 …というわけで、いくつか考察サイトを回ってみると、細かいつじつまをきちんと読み解いているサイトがけっこうあって驚く。正直いって、この作品の複雑に入り組んだ構造をぜんぶ脈絡をつけて理解できたわけではなかったので、確かにいろいろ参考にはなった。とはいえ本質的な問題は、つじつまがあうか否かというよりも、作品全体が語りかけてくる「何か」なのであって、もちろん細かい詮索もあっていいが、それだけでは大樹を見失うおそれがある。確かに「謎解き」の欲望をかきたてる作品だし、あるいはよく言われるように田中ロミオ氏の文体も一級品だが、そこだけ見てわかった気になるのはつまらない。 もっともこの作品の真価は、ある意味では、「大樹」以上にむしろいわば「枝葉」の部分、つまりふ