村上もとか『JIN -仁-』が20巻で完結しました(2011年集英社、619円+税、amazon)。 連載開始から10年。現代の医師が幕末にタイムスリップします。彼が未来の知識や技量をを駆使して市井のひとびとや有名人を救いながら、歴史の流れを変えていくという大きなお話。村上もとからしく、堂々たる風格を持った作品でしたね。 タイムトラベルものといいますと、ハインライン『夏への扉』や映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でもそうですが、タイム・パラドックスが出現しないようにいろいろと工夫されています。読者側としてはそこをああでもないこうでもないといろいろと理屈を考えるのが楽しい、という一面があります。 ですから本作の最終巻はお話をどうたたむのかが見どころでした。第一巻に描かれた伏線はどうなるのか。 それがねー、タイムトラベルものとしてはねー、「あれ?」なんですよ。 (以下ネタバレします) (1