骨までしゃぶる知能犯の脅威 「オイ! この桃の件。そろそろいいだろ。一発かましたれや!」マンションの一室で、男女が携帯電話で何やらわめいている。桃の件で上の者から指示された若い男が、携帯電話に手をかけて番号を押し始めた。 電話を受けたのは食品を扱う通販会社Aのお客様相談室。担当者は突然のお客様の要望に困惑する。電話をかけてきた男は、12個入りの岡山の高級な甘い桃を購入したという。しかし、本日12個目を食べ始めたが、いずれも甘くなかったとして、支払った全額を返還するよう要求してきたのだ。理不尽な要求のように見えるが、「返品特約」を逆手にとった新たな方法である。 時を同じくして、化粧品の通販事業を行うB社のお客様相談室に一人の女性から問い合わせの連絡が入る。化粧水を使用してきて、もう底をつく状態にもかかわらず、今さらながらに「注文したのは、化粧水ではなく化粧クリームだった」と白々しく苦情を述べ